落葉小高木または高木です。

タカノツメ
冬芽がタカの爪のよう

特徴
クイッと曲がった短枝の先につく冬芽が鳥のタカの爪に似ています。 その「爪」から出てきた3枚組の葉は山菜として利用されます。 花や実は目立ちませんが、 秋に黄葉すると森の中で再び存在感を放ちます。 落ち葉は、 少し時間がたつとほんのりと甘い香りがします。
以下の情報は、 関東地方を基準にしています。 エリアによって1ヶ月くらいの差があります。

樹形
葉
3枚組で1枚の葉ですが、 たまに1枚だけのものもあります。 葉の縁の鋸歯は小さくて目立たず、 葉柄が長いのが特徴です。 黄葉した落ち葉は、 落ちて時間がたつとほんのりと甘い香りがします。 マルトールという成分が香りのもとになっています。
花
初夏に黄色っぽい黄緑色の花が咲きます。 花のついた枝には、 小さな花が集まったポンポンがいくつか出ています。
実
果実は液果で秋に黒く熟します。
幹・枝
樹皮は灰白色で、 丸いプツプツした皮目がたくさんあります。 地衣類が寄生していることが多く、 まだらな模様のように見えます。
冬芽・葉痕
クイッと曲がった短枝の先にとがった冬芽がついているのが「タカノツメ」の名前の由来になっています。 横長の葉痕は枝を半周するほどの長さで、 短枝の枝先には何段も重なって見えます。 維管束痕は横に7個並びます。
人との関わり
若芽は山菜として、 天ぷらなどにして食べることができます。
材はやわらかく、 経木や箸などに使われます。
名前の由来
クイッと曲がった短枝の先のとがった冬芽が、 鳥のタカの爪に似ていることから「タカノツメ」と呼ばれるようになりました。
赤唐辛子もタカの爪の形に似ていることから「タカノツメ」と呼ばれますが、 植物としてのつながりはありません。
性格
タカノツメという名前からなんだか強そうで怖そうなイメージがありますが、 実際は尾根にたまに見かける地味な木です。 何度か通っているのに「あーここにあったのか。 」と今更見つける感じ。 能ある鷹は爪を隠すと言うけれど、 タカノツメの爪(冬芽)にはおいしい若芽を隠しています。
体験・遊び
タカノツメの若い芽は山菜として食べられます。 芽が開いて葉が開いていないものを天ぷら、 混ぜご飯、 あえものなどで楽しめます。 芽1つとると複数の葉っぱを失うことになるので、 採りすぎないように注意してください。