落葉樹で10mほどになる高木ですが、 渓流沿いの大きなものでは30mくらいになるものもあります。
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特徴
ハート型の葉、 クリーム色で香りのよい花、 プロペラのついた実の房など、 一年中見どころの多い木です。 昔から、 樹皮の繊維で着物や縄などが作られ、 生活に役立ってきました。 花は蜂蜜を取るための蜜源として利用されます。
以下の情報は、 関東地方を基準にしています。 エリアによって1ヶ月くらいの差があります。
Peak Season
Blossom
Leaf
Fruit
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| 花 |
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| 葉 |
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| 実 |
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高さ
高木 (10~30m)
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花の性別
両性花
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分布北海道、 本州、 九州 |
生息地山地 |
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分布北海道、 本州、 九州 |
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生息地山地 |
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学名Tilia japonica |
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樹形
葉
少しゆがんだハート型で縁にはギザギザがあり、 先はヒュンととがります。 葉の裏の葉脈のわかれめ(腋脈)にモシャっとした毛のかたまりがあるのが特徴で、 その他は毛がなくてすべすべです。
花
初夏、 葉のつけ根から伸びた柄の先に、 房のようになって小さな花をいくつか咲かせます。 花の柄には1房ごとに1枚ずつ、 細長くて葉より少し色の薄い、 葉っぱのようなものがつきます。 遠くからでもわかる甘い香りがします。
実
短い毛のある丸い実が房になってつきます。 1房の柄に1枚、 細長い葉っぱのようなものがついています。 実が熟すと、 その葉っぱがヘリコプターのプロペラのような役割をし、 風に乗ってクルクル回りながら実を遠くへ運びます。
幹・枝
若い木の樹皮は灰色っぽい明るい色をしていますが、 だんだんと縦に裂け目が入ってきて褐色を帯びた暗い色になっていきます。
冬芽・葉痕
赤みがあって先が丸く、 毛のないつるりんぷっくりな芽です。 芽鱗はつるりんと1枚大きなのと、 横に小さなのが添えてあるように見えるのが特徴です。 半月型の葉痕には維管束痕が3つあり、 ちょっとぼんやりしたお顔に見えます。
人との関わり
シナノキの樹皮ははがしやすく、 水に強くて丈夫でしなやかなので、 昔から縄やひもなどを作ったりして生活に役立てていました。
山形県鶴岡市と新潟県村上市で作られる「羽越しな布」はシナノキやオオバボダイジュからつくられる布で、 平安時代の記録があります。 衣類、 袋、 漁網などに役立てられ、 現在では帽子やバッグ、 小物などが作られており、 経済産業大臣指定伝統的工芸品に指定されています。
材は柔らかくて加工しやすいので、 割り箸、 アイスクリームのへら、 マッチ棒、 合板、 木彫、 箱、 楽器などに利用されます。 北海道土産で有名な熊の置物もシナノキで作られることが多いようです。
名前の由来
結ぶことをアイヌ語で「シナ」ということ、 樹皮がしなやかなのでシナノキ、 などといわれていますが、 諸説あるようです。
シナノキは北海道から九州まで広く分布しますが、 長野県の信濃地方に多かったので、 「しなの」の地名がつきました。 シナノキは長野市の市の木に指定されています。
その他の情報
シナノキは、 北陸・関東北部から北海道までの山地に自生するオオバボダイジュとよく似ています。 オオバボダイジュの葉は大きくて、 裏面全体から葉柄にかけてやわらかい星状毛があり、 白っぽい色をしています。 花の雄しべは花びらより短いのが特徴です。 新しい枝、 実、 冬芽もやわらかい星状毛でおおわれています。
