安行小学校

アオキ

冬枯れの森を美しく彩る木

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特徴

艶のある赤い実と葉は、 冬枯れの森を美しく彩ります。
日陰や厳しい環境でも四季を通して美しい葉や実を楽しむことが出来るので、 日本だけではなく世界で庭木として愛され植えられてきました。
雄の木と雌の木があり、 雌の木にしか実がなりません。

以下の情報は、 関東地方を基準にしています。 エリアによって1ヶ月くらいの差があります。

樹形

背が低く大きな艶やかな葉をつける姿は特徴があります。 冬は真っ赤な実を付けているので特に目立ちます。

  • 冬、 濃い緑色の葉と赤い実のコントラストが美しい
    写真 / MayaN

  • 庭園に植えられたアオキ。 アオキは日陰でも元気なことから重宝される。
    写真 / MayaN

  • 秋から冬の森ではアオキが森を埋め尽くしているように見える
    写真 / MayaN

  • 特に杉林の下にはアオキが目立つ
    写真 / MayaN

  • アオキの芽生え。 大きなまるっこい双葉は大人の木の葉と全然違う。
    写真 / MasakoT

  • 本葉が出た幼木。 本葉は大人の木の葉っぱと同じ周りにギザギザのある。
    写真 / MasakoT

大きな艶のある柔らかい葉っぱです。
対生(枝の同じ場所から2枚ずつ付く)で両面とも毛はありません。
園芸種には、 葉に白い模様の入ったものがあり、 庭木としてよく植えられます。

  • 艶のある大きな葉。 周りに大きなギザギザがある。
    写真 / MayaN

  • 庭木として斑入りの(白い模様の入った)葉のアオキがよく植えられる
    写真 / MayaN

  • 葉の裏は色が薄く光沢がない
    写真 / MayaN

  • 芽吹きの様子
    写真 / MasakoT

  • アオキ星型すす病(菌類が原因でおこる病気)にかかった木
    写真 / MasakoT

濃い赤茶色の花が咲きます。 花びらは4枚です。
雄花と雌花が別々の木に咲きます。

  • 雌花。 真ん中の雌しべが目立つ
    写真 / MasakoT

  • 雌花が咲いている様子。 雌花は雄花よりも数が少ない。
    写真 / MayaN

  • 雄花拡大。 雌しべが退化し、 雄しべが目立つ。
    写真 / MayaN

  • 花びらが5枚ある花もある
    写真 / MasakoT

  • 雄花が咲いている様子。 雄花は雌花より数が多い。
    写真 / MayaN

  • 白い花を咲かせるアオキもある
    写真 / MasakoT

  • ハナアブが蜜をなめにやって来た。 早春のまだ花が少ない季節、 アオキは貴重なレストランだ。 ハナアブの体に付いた花粉がメスの花に運ばれれば、 めでたく受粉となる。
    写真 / MasakoT


  • 写真 / MayaN

実は12月ごろ真っ赤に熟します。 雌木には実はなりますが、 雄木には実はなりません。

  • 冬が深まると赤い色が鮮やかになる。
    写真 / MasakoT

  • 沢山みのる赤い実は、 冬の森を華やかにする
    写真 / MayaN

  • ほっそりとして緑のままの実はアオキミタマバエの虫えい。 いつまでも緑のままなので鳥が食べにこないので、 虫にとっては好都合。
    写真 / MayaN

  • 夏の姿。 実は冬に熟すが、 夏の終わりにはもうかなり膨らんでいる。
    写真 / MayaN

  • 実の中には種が1個入っている
    写真 / MayaN

幹・枝

若い枝は緑色です。 年を経た木の幹は、 茶色と緑の縞々になります。

  • 成長した木の樹皮は、 縞々。
    写真 / MasakoT

  • さらに年数がたった木の幹。 縞がほとんど見えなくなる。
    写真 / MasakoT

冬芽・葉痕

大きな冬芽は、 春が近づくと膨らんで、 蕾が出てきます。

  • 花芽の入った冬芽
    写真 / MasakoT

  • 冬芽から蕾が顔を出した
    写真 / MasakoT

人との関わり

日陰でも元気に育つため、 庭の日陰に彩りを添える木として、 日本はもちろん世界中で好んで植えられています。
・厚みがあって冬も枯れない葉っぱは燃えにくいため防火用に垣根にも植えられました。
・アオキの葉からは、 傷や腫れの治療薬も作られました。

  • 大きくて艶のある葉は、 防火にもなった
    写真 / MayaN

名前の由来

小枝も幹も緑色であるこから、 緑色の木=青い木=アオキと呼ばれるようになりました。

  • 枝も緑色(=青色)であることが名前の由来に。
    写真 / MayaN

その他の情報

【ヨーロッパ人を夢中にさせた木】
アオキは1783年にイギリスに雌の木だけが持ち込まれましたが全く実がならず、 約80年後1864年に雄の木が持ち込まれ初めて実を付けました。
一年中つやのある美しい葉をつけているアオキは、 ヨーロッパに最初に持ち込まれた時からゴールドプランツ(黄金の植物)として持てはやされていましたが、 真っ赤な美しい実をつけたことでまた一大ブームが起こったと言われています。

  • ヨーロッパでは特に斑入り(葉に白っぽい模様が入っている)品種が好まれた。
    写真 / MayaN

性格

アオキは、 他の木が日当たりが良い場所で生存競争を繰り広げる中、 競争相手があまりいない日蔭で暮らしています。 光はあまり得られないけれど、 土は乾燥しすぎないし、 自分の下はもっと暗いので、 芽生える木がいません。 競争しない日蔭ライフをエンジョイしているのです。

  • 木の下で悠々自適な日蔭ライフ
    写真 / minaei

体験・遊び

アオキの葉っぱは、 昔味噌のふたとして使われていたそうで、 今のラップの役割をしていました。 きれいに洗った葉っぱで、 ラップのように使ってみて、 昔の生活を想像してみましょう。 (アオキの葉は電子レンジで使うのはやめましょう)

  • 斑入りアオキの葉を味噌のふたにしてみた
    写真 / minaei

関わりが深い生き物

花には、 冬を越したハナアブやハエの仲間がやって来ます。
ヒヨドリは実を食べて糞と一緒にいろいろな場所に種を撒きます。
鹿が好んでアオキを食べるため、 鹿が増えている地域では急激に数が減っています。
いびつな形のアオキの実は、 アオキミタマバエが作ったアオキミフクレフシという虫こぶです。

  • アオキミフクレフシ。 実にはアオキミタマバエの蛹の殻が残っている。
    写真 / MasakoT

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執筆協力 : 「性格」「体験・遊び」岩谷美苗 執筆

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