生垣や庭木として刈りこまれていることが多い木です。 公園などでは動物などの形になっていることもあります。
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特徴
枝ぶりが密なので、 刈りこんで動物などに形作られます。 逆に言うと、 形作られている小さい葉の木はだいたいイヌツゲです。 山では気ままな枝ぶりを見せていますが、 整えられてもそれはそれで、 与えられた役を演じる柔軟な木です。 ときどき素が出てボサボサになるので監督(植木屋)に注意されます。
以下の情報は、 関東地方を基準にしています。 エリアによって1ヶ月くらいの差があります。
樹形
葉
光沢のある小さな葉っぱは枝に対し交互に付きます。 この葉っぱの小ささがいろんな場面でゆう通がきく秘けつ。 木によって大きさや形に違いがあります。
花
小さな白い花。 雄花と雌花は別々の木に咲きます。 雄花は花粉を作る役目が終われば落ちますが、 雌花は受粉後に実を作るので落ちません。
実
黒くて光沢のある実が雌木に実ります。 黒くてつやッとしているのは鳥に見つけてもらうためのアピールです。 鳥に食べてもらえば、 種を遠くまで運んでもらえますから!
幹・枝
皮目が多めの樹皮。 生垣などで枯れている枝に黒いものが付いていたら、 イヌツゲ枝枯れ病の可能性もあります。
冬芽・葉痕
刈りこまれると芽の発生時期は定まらないようで、 あったりなかったりします。
人との関わり
枝が密に出るので、 トピアリーを作る木として利用されます。 この枝ぶりは卵を産み付けやすいとイカにも好まれ、 福岡ではイカ漁にも使われているそうです。
名前の由来
くしや印鑑に使われるツゲとに似ているけれど、 ツゲとは違うという意味で「イヌ」がついたと言われています。
性格
イヌツゲは枝葉などが変わりやすい木で、 葉が丸いマメツゲ、 新葉が黄色いキンメツゲなどいろいろ品種があります。 自然林の中では自由に枝を広げ、 素はボサボサ系。 しかし、 決まった形に刈りこまれても、 自由を求めて騒ぐわけでもなく、 その役をこなします。 あるときは動物、 ある時は文字!
俳優さんが普段はまったく目立たず、 役でイメージが変わるように演じる木です。
体験・遊び
イヌツゲは小さい葉ですが、 つまようじでひっかくと傷が黒く変わります。 葉の中のタンニンという物質が黒くなるからです。
字が書ける葉っぱと言えばタラヨウが有名ですが、 意外と変色する木が他にもあります。 イヌツゲは小さいけれど丈夫な葉なので、 字を書いて器用さを競ってみてはいかが?
関わりが深い生き物
芽が大きくふくらんだイヌツゲメタマフシという虫こぶができることがあります。 キジバトやツグミ類といった野鳥が黒い実を食べにやって来ます。
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見られる場所
執筆協力 : 岩谷美苗