地をはうように枝を伸ばす樹形です。 自由気ままに、 ぼうぼうと枝を伸ばしますが、 庭木ではきれいに形を整えています。
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特徴
秋におわん形の赤い実を付けます。 実の真ん中から種が顔をのぞかせます。 この種は毒があるので食べられません。
本来は日本海側に生えていましたが、 寒さにも刈り込みにも強いので、 庭木としてよく植えられます。
イチイの変種で、 日本固有種です。
以下の情報は、 関東地方を基準にしています。 エリアによって1ヶ月くらいの差があります。
樹形
葉
針状の葉っぱですが、 やわらか目で、 さわっても痛くありません。 葉っぱは枝に「らせん」を描くように付いて、 四方八方に葉を開きます。
花
丸い実のような花です。 おばなとめばなは別々の木に付きます。 おばなは、 うすい茶色で葉の付け根に集まって付くので目立ちますが、 緑系~うすい茶系で目立ちにくいめばなは、 1、 2個が小さく、 こっそり付きます。
実
9~10月ごろ、 赤くて甘みのある実が付きます。 赤い部分はおわん形をしていて食べることが出来ますが中の種は毒があるので食べてはいけません!
幹・枝
老木は皮にさけ目が入り赤味が出ます。 雪の多い地域に生きるだけあって、 しなりやすく、 やわらかい枝です。
冬芽・葉痕
枝先に葉の冬芽が付き、 葉っぱの付け根に丸い花の冬芽が付きます。
人との関わり
公園や庭園で低い生垣に利用されています。
名前の由来
木の香りが高級な香料の伽羅(キャラ)に似ていることからキャラボクという名前になりました。
その他の情報
鳥取県大山町にある大山(だいせん)の北西しゃ面には、 約8haにおよぶキャラボクの群落が広がっています。 1952年に国の特別天然記念物に指定されました。
性格
日本海側や山の尾根などが故郷です。 キャラボク(イチイの仲間)は針葉樹ではめずらしく葉に樹脂道がなく、 べたべたしないので枝を整えやすいです。 庭木として植えられたキャラボクは刈り込まれて、 野生の面影はないですが、 本来は風が強い尾根などで地面をはうように伸び、 過酷な環境で耐える力を持っています。
体験・遊び
他の針葉樹の葉を集め、 葉をはさみで切って、 ヤニが出るかどうか比べてみよう。 ただし、 キャラボクは葉にも毒があるので食べてはいけません。 葉を触るのは問題ありません。
関わりが深い生き物
実を食べに野鳥が訪れます。
ヤマガラは実の中のタネを食べます。
見られる場所
執筆協力 : 岩谷美苗