里見公園

ナンテン

難を転じて福を呼ぶ

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特徴

「難を転じる」に通じるとして、 縁起の良い植物として知られています。 実際に、 薬用成分を含んでいて、 枝葉には殺菌、 殺虫効果が、 果実は咳止めとしても知られています。 ですが、 実は有毒植物でもあります。 安易な利用は避けましょう。

以下の情報は、 関東地方を基準にしています。 エリアによって1ヶ月くらいの差があります。

樹形

高さは1~3mほどで、 よく庭園などに植えられています。 葉は枝先に集まって付く傾向があるので、 幹がいくつも絡まって育つような「株立ち」という生え方をします。

  • 京都の冬は美しく手入れされたナンテンをよく目にする
    写真 / MayaN

  • 葉は枝先に付く
    写真 / MayaN

  • 木の上部は葉で幹が見えないほど覆われる
    写真 / MayaN

葉は独特の形をしています。 小さい葉(小葉)が沢山集まって1枚の葉を作っています。
葉は互い違いにつきます。

  • 3回奇数羽状複葉。 小さな葉があつまったものが一枚の葉にあたる。
    写真 / MayaN

  • なのでこれは葉の一部。
    写真 / htanaka

  • 小葉の付け根。 しっかりと枝を掴んでいる。
    写真 / MayaN

  • 新芽は鳥の足のよう。
    写真 / MasakoT

  • 青緑色の葉が美しい
    写真 / htanaka

  • 葉は紅葉してから落葉する。
    写真 / MayaN

初夏、 茎の先に白い小さい花が房状に集まって沢山咲きます。

  • 5~6月頃に花が房状になって咲く
    写真 / MayaN

  • 赤みの強い花もある
    写真 / MayaN

  • 花被片は、 3枚ずつ輪状にたくさんつく。 一番内側の大きな6枚が目立つ
    写真 / MayaN

花後結実した実は、 初冬に赤く熟します。

  • 赤色は、 濃緑色の葉によく映える
    写真 / MayaN

  • 白い実のものはシロミノナンテンと呼ばれます。
    写真 / MayaN

  • 実は綺麗な球形
    写真 / MayaN

  • 中の種の様子
    写真 / MayaN

  • 雪に赤色が映える
    写真 / MayaN

  • 熟しはじめは、 緑色と赤色が混じって黒っぽく見える
    写真 / MayaN

幹・枝

樹皮は灰黒色で、 縦に溝ができます。 根は黄色です。

  • 写真 / MayaN

  • 若い枝
    写真 / MayaN

冬芽・葉痕

赤い冬芽。 幹の一番上の葉の間につきます。

  • 写真 / MayaN

人との関わり

・葉を食べ物の上にのせて進物にする(贈り物にする)というのは、 殺菌作用があるためです。 またナンテンが「難」を転じて食当たりを防ぐ願掛けの意味あいがあると言われています。
・ナンテンは「難を転じる」ということで、 特に鬼門(北東方向、 鬼の通り道と言われる)の方向にある玄関に植えられます。
・古くから建築材として利用されています。 特に、 お茶室の床柱は広く知られています。

名前の由来

中国名「南天燭」「南天竹」を簡略化したものと言われています。

その他の情報

江戸時代に来日したスウェーデン人、 ツンベリーが帰国後出版した『日本植物誌』によって初めて世界に紹介されました。

関わりが深い生き物

花に蜜はなく、 花粉を幼虫のエサとするハナバチが訪れます。 ハナバチは、 花粉を体じゅうにつけて運びます。
赤い実は、 ヒヨドリやジョウビタキなどの鳥が食べます。 ときには、 ヒレンジャクも実を食べにやって来ます。

執筆協力 : 広畠真知子

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