大木はあまりなく、森ではスレンダーな雰囲気で立っています。日当たりを求め枝をすっと伸ばしています。

アカシデ
山のおしゃれ番長

アカシデの特徴
山でも街でも目立つ木ではないですが、紅葉シーズンで赤く紅葉すると「おや?」と目を引く存在。すらっとスレンダーに立っています。オレンジ系の明るい紅葉がさりげない、山ではおしゃれな木です。
以下の情報は、関東地方を基準にしています。エリアによって1ヶ月くらいの差があります。

樹形
葉
ふちのギザギザ具合が気まぐれで、やや小さい葉っぱです。秋には赤や黄に紅葉してきれいです。
花
風で花粉が運ばれ受粉する風媒花(ふうばいか)なので、葉が出る前に花を咲かせます。といっても、花らしい形ではなく、4~5月、おばなはヒモがぶら下がるように咲きます。
実
実が集まった果穂(かほ)は、まるでビールのホップ。ほぐすとばらばらになり、種に羽状の葉のようなものが付いています。イヌシデは一方だけギザギザのある羽状の葉ですが、アカシデは左右にギザギザがあるものが多いです。
幹
一年枝は赤みがあるものが多いです。縦に浅くさける樹皮です。イヌツゲより薄い感じの縦筋です。
冬芽
冬芽はたくさんの芽鱗(がりん)という芽を守る硬い葉っぱのようなものに包まれています。枝の横に付く側芽は枝に沿うことはなく、開くようにつく(開出)のが特徴です。
人との関わり
アカシデは別名が多く、それだけ各地で親しまれています。庭木や公園に植えられたり、盆栽などにも利用されます。
名前の由来
新芽や紅葉が赤いこと、シデは花穂や果穂がしめ縄の紙垂(しで)に似ていることからアカシデとなりました。
性格
周りにとけこみながら、目立たないようでいて、目をひく美しさがあります。秋にはオレンジ系の明い紅葉で、山を盛り上げます。山のおしゃれ番長といったところです。
体験・遊び
ぶら下がる実が面白い形です。これに目玉を付けるだけでミノムシのようになります。軽いので糸をつけてモビールを作ることもできます。同じくイヌシデやクマシデでもできますよ。
アカシデの見られる場所
執筆協力 : 岩谷美苗