千葉市都市緑化植物園

モミ

クリスマスの聖なる木?

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特徴

日本固有種で、 円錐形の端正で整った樹形が特徴的で、 遠くからでも目立ちます。
クリスマスソング「もみの木」でも歌われていることからクリスマスツリーにされると思いがちですが、  日本で実際に使われているのはウラジロモミやドイツトウヒが多いようです。

以下の情報は、 関東地方を基準にしています。 エリアによって1ヶ月くらいの差があります。

樹形

樹高35~40m、 直径1.5~1.8mになります。
枝は太く水平に伸び、 樹冠は円錐形になります。
老木になると枝が斜め上に伸びることもあります。

  • 高さ40mにもなる大きくなる木
    写真 / HitoshiN

  • 枝を横に伸ばし円錐形の樹形になる
    写真 / ReikoS

  • 生長すると枝が斜め上に伸びやすい
    写真 / MayaN

  • 太く真直ぐに伸びる幹
    写真 / MayaN

  • 遠目に見ると周囲より頭が飛び出した端正な樹形が目立つ
    写真 / HitoshiN

  • 森の中や老木は樹形が暴れやすい
    写真 / ReikoS

  • 若い木は暗い森の中でもたくましく生きる
    写真 / htanaka

葉は硬く、 先端が2つに分かれて尖っていて、 強く握ると痛いです。
老木では先端がわずかにへこむ程度になります。

  • 長さ2~3cmの線形の葉っぱ
    写真 / MayaN

  • 成木の日当たりの良い場所の葉はらせん状に出る。 葉の付け根は丸い。
    写真 / htanaka

  • 特に若い木の葉は先が2つに分かれて尖っている
    写真 / HitoshiN

  • 握ると痛いがカヤに比べれば優しい方
    写真 / HitoshiN

  • 若葉の裏側には白い気孔帯があるが、 後に消えて目立たなくなる
    写真 / ReikoS

  • 若い木の葉は2列に並ぶ。 葉の寿命は7~8年と長い
    写真 / MayaN

  • 成木、 日向の葉は先端があまり裂けない。 葉は柔らかく握っても痛くない
    写真 / HitoshiN

  • 若葉はみずみずしい黄緑色
    写真 / MasakoT

雌花と雄花は同じ木に咲きます。
雄花は円柱形で垂れ下がり、 黄緑色、 雌花は円柱形で立ち上がり、 黄緑色です。

  • 黄緑色の雄花の蕾
    写真 / MasakoT

  • 熟すと茶色っぽくなてくる
    写真 / HitoshiN

  • 柄が伸びてぶら下がった雄花
    写真 / MayaN

  • 雄花は枝先にたくさん付いて目立つ
    写真 / MasakoT

球果は円柱形で、 10月頃に熟して緑褐色となり、 枝の上に直立します。 熟した実は樹上でバラバラになって鱗片が飛散します。

  • 始めは黄緑色。 らせん状に並ぶ三角形のトゲトゲ出ているものは苞鱗
    写真 / MayaN

  • 長さ9~13㎝、 幅4~5㎝と大き目の実は遠くからでも目立つ
    写真 / MasakoT

  • 熟すと茶色っぽくなる
    写真 / MayaN

  • バラバラになった鱗片が飛散して地面に落ちる
    写真 / MayaN

  • 種鱗と翼が付いた種が幾重にも重なって、 「松ぼっくり」になっている
    写真 / MayaN

  • 中央で長く伸びるペン先のような苞鱗が付く種鱗
    写真 / MayaN

幹・枝

樹皮は灰褐色で亀裂ができ、 鱗のようにはげます。

  • 幹はとっても太くなる
    写真 / htanaka

  • 若い木は灰色で平滑だが、 老木になると亀裂が入る
    写真 / MayaN

  • モミは灰色っぽく鱗状。 ツガは褐色系で縦に裂ける
    写真 / 庭木図鑑植木ペディア

  • 一年目の枝はこげ茶色の短い毛が生える
    写真 / ReikoS

  • 水平に伸びる枝も太くがっしりしている
    写真 / ReikoS

冬芽・葉痕

葉芽は枝の先に3個つき、 先がとがってぷっくりとした形をしています。 芽鱗がきれいに並んで重なっているのがわかります。

  • 赤茶色で目につきやすい芽
    写真 / ReikoS

  • 3こ組で、 鳥の脚のよう?
    写真 / htanaka

人との関わり

木材は白色で清浄な感じがするので建築、 家具などに用いられます。 香りが少ないのでご飯を入れるお櫃にも使われます。
クリスマスの木として歌われていますが、  日本では庭木として仕立てた場合、  枯れることがあるのでウラジロモミやドイツトウヒがクリスマスツリーとして使われています。

名前の由来

風に「揉み」合うことから名が付いたという説や、 大木で神聖な木なので「臣(おみ)の木」が転じた説などがあります。

その他の情報

東京の「代々木」という地名は、 その昔、 代々モミの大木が育ったことに由ると言われています。

性格

大気汚染には弱いですが、 芽生えから大きくなるまでの長い間、 日影に耐えられる木です。
じつは、 暗い山の中で、 根っこでたくさんのキノコ(菌根菌)とつながり仲良くしている一面があります。 都会に植えたモミが枯れることがありますが、 菌の友達がいないからじゃないか⁈と一説ではいわれています。
他にもツクバネやマツグミに寄生されることもあるけど、 場所や栄養を分けてあげる「気のいいヤツ」ともいえます。

  • モミと共生しているウスタケ
    写真 / minaei

  • 中心がへこみ臼の形のようだからウスタケ
    写真 / minaei

体験・遊び

山の尾根などでバンザイしているモミを見つけてみましょう!
尾根なら遠目でもシルエットでわかります。

  • 上枝がバンザイしているみたいな可愛らしさがあるモミ
    写真 / minaei

関わりが深い生き物

弱った木や伐採された木に、 オオゾウムシやシラフヒゲナガカミキリなどが産卵します。

執筆協力 : 根田仁 岩谷美苗

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