豊田市自然観察の森

クサギ

こんな名前だけど花と実が素敵!

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特徴

葉をちぎると強い匂いがすることから臭い木→クサギと名付けられました。 名前はマイナスイメージですが真夏には良い香りのする花が咲きますし、 秋は赤と青の美しい実がなります。
欧米では観賞用にも植えられることもあります。

以下の情報は、 関東地方を基準にしています。 エリアによって1ヶ月くらいの差があります。

  • Peak Season
  • Blossom
  • Leaf
  • Fruit
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
見頃

高さ

小高木 (5~10m)

花の性別

両性花

分布

日本(北海道、 本州、 四国、 九州、 沖縄)朝鮮半島、 中国、 台湾、 フィリピン(バタン諸島)

生息地

日当たりの良い山野の林緑、 沿海地

分布

日本(北海道、 本州、 四国、 九州、 沖縄)朝鮮半島、 中国、 台湾、 フィリピン(バタン諸島)

生息地

日当たりの良い山野の林緑、 沿海地

学名

Clerodendrum trichotomum

樹形

高さ2~8mの落葉樹です。 幹はシュッとしてスリムです。 枝の先の方に大き目の葉をたくさん垂らして重そうに見えます。

  • 背が高くなっても幹はほっそり。
    写真 / MayaN

  • 背の低い木が林縁で枝を広げているのをよくみかける
    写真 / MayaN

  • さりげなく幼木は沢山生えている(冷涼な地域をのぞく)
    写真 / MayaN

葉っぱは揉むと強い香りがします。
広い卵型や三角に近いハート型の葉っぱを付けます。

  • 広い卵型や三角に近いハート型の葉っぱ。 葉柄は、 葉の長さと同じくらいが長い。
    写真 / MayaN

  • 日光をより多く取り入れるため、 葉柄の長さはまちまちで、 お互いが重ならないように広がる。
    写真 / HitomiT

  • ルーペでみると葉の裏側に花外蜜腺がある。
    写真 / MasakoT

  • 若い葉は縁がギザギザするものもある
    写真 / MasakoT

  • 葉表裏には毛があり、 触るとふわっと感じる。 特に裏側、 葉脈上に多い。
    写真 / MayaN

  • 葉柄にも毛がたくさん生えている
    写真 / MayaN

  • 若葉。 食用にもされる。
    写真 / MasakoT

  • 新芽は赤みがかって見える
    写真 / MasakoT

  • 枝の先は枯れて、 枝の途中から葉が芽吹く
    写真 / MasakoT

真夏にユリのような良い香りがする白い花を咲かせます。 他の花が少ない時期なので目立ちます。
花びらは5裂します。 雄しべが成熟した後に雌しべが成熟します。

  • 枝を横に思いっ切り伸ばして沢山の花を咲かせる
    写真 / HitomiT

  • 花の白と蕾のあわい赤紫色の組合せが奥ゆかしい
    写真 / MasakoT

  • 花は萼から飛び出しす感じで咲く。
    写真 / MayaN

  • まず雄しべが熟すが、 雌しべは未熟でだらんと下がっている
    写真 / HitomiT

  • 次に雌しべが熟してシャキッとするが雄しべはだらんと下がる
    写真 / MasakoT

  • 若い蕾。 がくの中にすっぽり入っている。
    写真 / S.Ikeda

  • がくから蕾が顔を出した
    写真 / MasakoT

  • がくから蕾がひょっこり出てきた。
    写真 / MasakoT

花が散った後に「がく」が赤くなって星状に開き、 真ん中に実が付きます。
実は10~11月に熟すとピカピカのあい色になります。 あみ目模様の種が4つ入っています。
派手な実ですが、 鳥に食べられず晩秋まで残っていることが多いです。

  • 赤と青のツートンカラーの実はおしゃれ。 赤い星印が藍色の実の位置をアピール。
    写真 / MayaN

  • 萼が5つにさけて星印をつくる.
    実は青色から藍色に変わっていく。
    写真 / MayaN

  • 完全に熟した実.
    写真 / HitomiT

幹・枝

幹は灰色~こい灰色で丸い皮目が多く、 年を取ると縦にさけ目が出来ます。 若い枝は茶色や白色のやわらかい毛でおおわれ、 灰色がかった茶色~淡い赤紫色です。

  • 白い毛が生えている若枝
    写真 / MasakoT

冬芽・葉痕

黒や紫がかった茶色の毛でおおわれ、 温かそうな冬芽です。 枝の先に付く芽は円すい形で、 側芽は半球形または卵形をしています。 葉が付いていた後の形はだ円形からハート型をしています。

  • 1~3㎜と小さい冬芽
    写真 / MasakoT

  • 毛に被われて動物の足のよう
    写真 / MasakoT

  • ちょっと真面目顔の葉痕
    写真 / MasakoT

  • こちらはニコニコ顔の葉痕
    写真 / MasakoT

  • 芽吹きたての葉は小っちゃくてもふもふ
    写真 / MasakoT

人との関わり

・クサギの実で水色に染めることができます。
・海州常山(かいしゅうじょうざん)という漢方薬として、 乾燥させた枝葉や根を煮つめて飲まれます。 リュウマチや神経痛、 高血圧や頭痛に効くと言われています。

  • クサギの実で綺麗な水縹(みはなだ)色に染めることができます
    写真 / 草木屋

  • がくを取り除いたクサギの実。 これをに出して染め物に使う。
    写真 / 草木屋

名前の由来

枝や葉をちぎると、 くさい香りがするのでクサい木という意味からクサギと名付けられました。

その他の情報

英語名をharlequin glory bowerと呼ばれ、 欧米では観賞用に育てられます。

性格

クサギは関東以西では、 そこら中に増える雑草キャラですが、 寒い所では誰だかわからないぐらい物静かです。 名の通り葉をちぎるとくさいですが、 最近はあまり「くさい」と言われず、 それどころか「おいしそうなにおい」と言われます。 一方、 花は葉と全く違い、 とても良い香りで可憐。 実はかなりの攻めコーデで、 いろんな顔を持っています。 くさいだけのイメージだけではもったいない!かなり引き出しの多い木です。

  • 東北で見た物静かなクサギ
    写真 / minaei

  • 繁茂するクサギ
    写真 / minaei

体験・遊び

クサギの葉ほどいろいろな匂いに例えられるものはありません。 葉をちぎって、 においをかいで、 どんなにおいか表現してみましょう。 この前、 園児が「ポテチのにおい」「ココア」と言っていました。 他に、 ピーナツバター、 ビタミン剤(チョコラBB)、 大根のつけ物、 ブルーチーズ。 これらを確認してみても面白いかもしれません。 ちなみに葉は天ぷらでも食べられます。

  • 最近「臭い」と言われない葉
    写真 / minaei

関わりが深い生き物

甘い香りにさそわれて、 アゲハチョウの仲間やガなど、 長い口吻の昆虫が訪れます。 花は雄しべ、 雌しべは長く突き出し、 虫に花粉を運んでもらいます。
ツートンカラーの実は鳥にアピールしています。 どんな鳥がやって来るでしょうか。

  • 蜜を吸いに来たカラスアゲハ。
    写真 / MasakoT

執筆協力 : 岩谷美苗

豊田市自然観察の森 基本情報

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