日かげでは地面に少しずつ広がっていたり、登れる木を見つけて、それとなくよじ登っていますが、日向に出ると、がっつりしげります。

テイカカズラ
目立たず強くたくましく生きる木

テイカカズラの特徴
名前の由来となっている藤原定家は、この木に姿を変えて愛する人のお墓にからみ付いたというお話があります。
そのくらい、暗い場所でも地をはったり、木に登ったり、多様な葉を出したりして生きている、目立たないけれど強くたくましい木です。
以下の情報は、関東地方を基準にしています。エリアによって1ヶ月くらいの差があります。

樹形
葉
基本的に卵型で、大きな葉っぱはのっぺりとしていますが、小さい葉っぱは葉脈が白く細かく見えます。
地面をはう時の葉っぱは小さく、垂直にはい登る時の葉っぱは大きくなりやすいです。
花
白くスクリューのような花でとても良い香りがします。最初が白色ですがだんだん黄色っぽくなります。
実
実はインゲンマメのように細長く、2個が対となってぶら下がります。種も細長く、タンポポのように綿毛をつけて飛んでいきます。
幹
若いつるには毛があり、次第に無くなりますが、その代わりに付着根でとげとげ、ごつごつになります。
つるや茎をちぎると白い毒の液が出てきます。かぶれやすい人は注意が必要です。
冬芽
赤紫色の冬芽は、ちょっと欲張り?と思えるほど集まって付きます。
人との関わり
盆栽では小さな葉の木に仕立てて楽しみます。
名前の由来
名前は能の題目「定家」に由来します。歌人で有名な藤原定家が死んだ後にテイカカズラに姿を変えて、愛する人のお墓に絡みついたお話です。
花の香りが良いので「つるクチナシ」などとも呼ばれます。
その他の情報
とてもよく似ているニシキギ科のツルマサキは、葉にギザギザがあり茎は緑色で毛は有りません。また茎や葉の切断面から白い乳液は出ません。
性格
森の中ではお馴染みのつる植物で、木や岩場によじ登って暮らしています。葉の形はまちまちで、違う植物かと思うくらい見かけはもちろん、手触りから違います。花は良い香りで、種は綿毛で飛んでいきます。
登って香って飛んで、そして毒まで持っている、木と思えない行動派です。
体験・遊び
テイカカズラの種は冬に熟します。細いさやの中に毛が生えた種が入っています。それが冬になると、はじけて飛んでいきます。種を見つけたら飛ばして遊んでみましょう!
花はジャスミンのような香りなので、かいでみましょう。
花色も白から黄色がかった白に変わっていくのでよく観察してみましょう。
テイカカズラの見られる場所
執筆協力 : 岩谷美苗