少し幹が傾きやすかったり、大きめの葉がバサッと付いたりして全体的にまとまりのない不整形な樹形をしています。

クマシデ
クマのように大ぶりな実

クマシデの特徴
クマシデはクマのように大ぶりな葉と実を付けるためクマシデと呼ばれます。太くて大きな果苞(かほう:羽がついた実の集まり)が鈴なりぶら下がる様子はとても目立ちます。日本固有種です。
以下の情報は、関東地方を基準にしています。エリアによって1ヶ月くらいの差があります。

樹形
葉
葉の側脈は20~24対もあり、これでもか!と言わんばかりに、きっちりと平行に脈が刻まれています。シデの仲間の中でも細長くて大きな葉です。
花
4月ごろ若葉が開くと同時に、うすい黄色ぽい雄花と雌花を同じ木に咲かせます。長い花は雄花の集まりで、枝先に葉にまぎれて付く短い花は雌花の集まりです。
実
天狗の内輪のような形をした「果苞」と呼ばれる葉の様なもので守られた実が縦に連なって付きます。10月ごろに茶色に熟します。連なった実は太くボリュームがあって目立ちます。
幹
樹皮は全体的に黒っぽい茶色です。若い枝はスベスベですが、大きくなるとミミズばれのような模様が出来て、老木になるとさけて白っぽい筋が目立ちます。
冬芽
先がとんがり、しずくの様な形をしています。全体的に緑色で大きい冬芽はおばな、ほっそりした冬芽は葉っぱ、または、めばなが入っています。
人との関わり
材が硬くて丈夫なので「イシシデ」「カタシデ」などとも呼ばれ、建材や家具、しいたけの原木などに使われます。
名前の由来
イヌシデやアカシデに比べて葉が大きく、たくましいイメージから「クマ」を付けて「クマシデ」と名付けられたといわれます。「シデ」は実が垂れ下がる様子を、神社のしめ縄に下げる紙垂(しで)に例えて付けられた名です。
体験・遊び
よく生えているシデの仲間にはイヌシデ、アカシデ、クマシデなどがあります。お互いよく似ているのですが、葉や実、樹皮、色、手触りが少しずつ違います。ぜひ全部の木をみて比較してみましょう