津久井湖城山公園

オオバヤシャブシ

荒地でたくましく成長するパイオニアツリー

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特徴

その名の通りヤシャブシよりも葉が大きいのが特徴です。 小さな松ぼっくりのような実がなりますが、 マツとは全く違う種類の木です。 荒れ地や造成されたばかりの場所で、 すばやく成長します。 その性質からパイオニアツリー(=開拓の木)と呼ばれます。 成長は早いのですが、 じつは寿命は10~50年と木の中では短いです。

みんなの投稿

以下の情報は、 関東地方を基準にしています。 エリアによって1ヶ月くらいの差があります。

樹形

様々な環境に耐える荒々しい樹形

  • 写真 / MayaN

先端は鋭く尖り縁には細かいギザギザ(鋸歯・のこぎりば)があります。 表面は脈が13~17対あり、 凹凸が目立ちます。

  • 周り細かいギザギザのある葉
    写真 / MayaN

  • 葉の裏面は淡い緑色で脈上に毛が生えています。
    写真 / MayaN

早春、 葉が出る前に緑色の花が咲きます。 雌花は枝の先に上を向いて咲きまます。 雄花は4~6㎝程で太く垂れ下がります。 雄花から花粉が風にのって運ばれます。 この花粉は花粉症の原因にもなると言われています。

  • 立ち上がるように咲く雌花
    写真 / MayaN

  • 垂れ下がるように咲く雄花
    写真 / MayaN

  • オオバヤシャブシ
    写真 / MayaN

1.5~2㎝の卵型で黒褐色のゴツゴツとした硬い実がなります。 ヤシャブシやオオバヤシャブシの実は、 タンニンを多く含み、 黒の染料として使われます。

  • マツボックリのような
    写真 / MayaN

  • 秋に実った実はそのまま木に残る
    写真 / MayaN

幹・枝

灰褐色です。 若い木は滑らかで、 年を重ねるにつれて幹がだんだんと剥がれ、 荒々しい幹になります。
若い枝には楕円形の皮目(ひめ・裂け目)が見られることがあります。

  • 弱ってキノコがついている木もある
    写真 / MayaN

  • 若い枝
    写真 / MayaN

冬芽・葉痕

先がとがっていて赤みのある芽鱗に包まれている芽が、 目を引きます。 葉痕の維管束痕は3つで、 すやすや眠っているようなにっこり顔があります。

  • 芽鱗に包まれている芽には、 葉か、 雌花の集まり「雌花序」が入っている
    写真 / Tamacha

  • 雄花の集まり「雄花序」の芽は、 丸っこくぷっくりしていて芽鱗がない
    写真 / MasakoT

人との関わり

球果(きゅうか=実)を沸騰させて煮詰めた液は、 黒い染料として使われてきました。 また殺菌作用があることから、 皮膚の炎症を抑える薬として使われたり歯を黒く染めるお歯黒にも用いられました。

名前の由来

「ヤシャブシ」より大きな葉を持つため「オオバヤシャブシ」となったといわれています。
ゴツゴツした球果が夜叉(やしゃ=ごつごつした顔の魔物)に似ているから。
ブシは五倍子(ぶし=ヌルデの葉の虫こぶのこと。 染料として使う)と同じように染料として使うことから名前につきました。

その他の情報

ハンノキやヤマモモなどと同じように、 根に共生する根粒菌から窒素分を受け取る性質があるため、 貧弱な土壌でも十分に育ちます。

関わりが深い生き物

ハンノキカミキリが元気な木に産卵し、 幼虫は材を食べて育ちます。
ハバチの幼虫が集団で葉を丸坊主にすることがあります。

  • 葉を食べるハバチの若齢幼虫
    写真 / MasakoT

  • 葉を食べるハバチの幼虫
    写真 / MasakoT

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