安行小学校

ケンポナシ

実の柄が梨の味!?

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特徴

花、 葉、 幹いづれも個性豊かな木ですが、 何よりも実のなり方がユニークです。 丸い実が付く柄の部分は熟すと太くなり、 梨の実と似た味がします。

以下の情報は、 関東地方を基準にしています。 エリアによって1ヶ月くらいの差があります。

樹形

高さ10~20mくらいになります。 幹は少しねじれながらも、 おおよそ真っ直ぐに伸びて行きます。

  • 葉が陽の光を照り返す
    写真 / MayaN

  • 林の中でもたくましく枝を広げる
    写真 / MayaN

葉は互生に付きますが、 右右左左と2枚ずつ付くこともあります。 葉っぱの付け根には、 目立たないですが三角形に突き出たポッチ(腺体)が数個あります。

  • 葉の付け根から3本の太い脈が出る
    写真 / minaei

  • 日当たりの良い場所では大き目の葉がだらんとぶら下がる
    写真 / MasakoT

  • 細かくてあらいギザギザが不ぞろいに並ぶ
    写真 / MakoT

  • 若葉はうすくて脈の凹凸がよく分かる
    写真 / MasakoT

枝の先の方に、 緑ががかった白色のちっちゃな花が集まって付きます。 花びらは、 おしべを両側から包み込み、 やがて反り返ります。

  • 緑がかった白色の花
    写真 / MayaN

  • 雄しべと雌しべがそろった両性花
    写真 / MasakoT

  • 枝の先に小さい花が集まって咲く
    写真 / minaei

  • 花弁の付け根はロウ質で半透明
    写真 / minaei

丸い実がなります。 秋の初めには黒っぽい茶色に熟し、 柄が太くなり実よりも目立ちます。 柄は梨の実のような味で食べることが出来ます。

  • 太くて紫色の部分が柄で食べられる
    写真 / MayaN

  • 独特な実と柄の形をしている
    写真 / 庭木図鑑植木ペディア

  • 丸い実の中には丸くて平べったい種が入っている
    写真 / 庭木図鑑植木ペディア

幹・枝

縦の割れ目が入り、 あみ目模様を作ります。 枝は紫がかった茶色をしています。

  • 太くなると割れ目が一層目立つ
    写真 / MayaN

  • 細長く縦に割れ目が入る
    写真 / 神奈川県公園協会

  • 縦に割れ目が入りささくれることもある
    写真 / MayaN

冬芽・葉痕

葉が取れたあとに残る葉痕の上に、 茶色の毛でおおわれた冬芽が付きますが、 冬芽の付かない葉痕が1つ置きにあります。 維管束痕は3つで、 ひょうきんなお顔に見えます。

  • 「たんこぶ痛いよー」
    写真 / minaei

人との関わり

かつて二日酔いに効く薬用として植えられました。 木目が美しく、 かたい材になるので建材や楽器、 工芸品などに使われます。

名前の由来

いろいろな説ありますが、 中国の懸圃(けんぽ)という神仙の住む山で見られたことから名が付いた等があります。 実の柄が梨の実のような風味であることからナシとつきました。

その他の情報

ケンポナシは葉がかわいても濃い緑色ですが、 本州西部や四国にいるケケポナシは赤茶色になります。

性格

若木の生長はとても早いです。 早く大きくなって日当たりの良い場所を陣取ろうと頑張ります。 林縁だと片方しか光が当たらないのでかたむき、 林内だと上しか光があたらないのでノッポになり、 周りに光をさえぎる物が無ければのびのび育ちます。 実の柄を甘くして種と一緒に食べてもらい、 動物に運んでもらいます。 結構工夫して生きている木です。

  • 1mぐらいだったケンポナシ
    写真 / minaei

  • 4年で5mぐらいに生長する
    写真 / minaei

体験・遊び

晩秋、 ケンポナシは実を枝ごと落とします。 甘い香りに誘われて動物たちが食べに来ます。 でも、 甘くておいしいのは実ではなく、 実がついている柄!柄をかじるとナシのような、 レーズンのような味わいです。 「落ちてる物を食べてはいけません」とよく言われますが、 ケンポナシの場合は落ちている時こそ食べごろです。

  • 先端に実が付く。 甘くて美味しいのは柄の部分
    写真 / minaei

  • 晩秋に落ちた頃が美味しい
    写真 / minaei

関わりが深い生き物

  • ため糞の中には大量のケンポナシの種
    写真 / minaei

  • タヌキのため糞
    写真 / minaei

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執筆協力 : 岩谷美苗

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