細い枝をたくさん出して、 横に広がる樹形です。 よく枝分かれし、 高さ1mくらいまで大きくなります。 枝は2年で枯れますが、 新しい枝が根元からどんどん出て来ます。
コウヤボウキ
由緒正しい「ほうき」の木です!
特徴
古来、 「ほうき」の材料として使われてきた木です。 正倉院には758年正月の初子(はつね)の儀式で孝謙天皇が家来に授けた「子日目利箒(ねのひのめとぎのほうき)」が残っており、 その時に歌われた大伴家持の歌は万葉集に収められています。
2タイプの葉っぱを付けたり、 ふさふさの綿毛に被われた冬芽を付ける面白い木でもあります。
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以下の情報は、 関東地方を基準にしています。 エリアによって1ヶ月くらいの差があります。
樹形
葉
1年目に伸びた枝には、 しずくの形をした葉っぱが互生に付きます。 2年目の枝には細長い葉が集まって付きます。 ところどころに飛び出るギザギザがあり、 葉の裏には短毛が生えています。
花
秋、 葉が互生する1年目の長い枝の先っぽに1㎝くらいの白い花を1個づつ咲かせます。 2年目の枝には咲きません。
見た目が小さなキクのような花です。 コウヤボウキは、 キクの仲間では珍しく、 草ではなく木であるキクの仲間なのです。
実
秋から冬にかけて、 たくさんの綿毛が付いた実がなります。 綿毛は風に乗って種を遠くまで飛ばします。
幹・枝
枝には短い毛が生えていて、 触るとざらつきます。
冬芽・葉痕
1cmに満たない小さな冬芽は、 白い毛におおわれ、 陽に当たると輝いて見えます。
人との関わり
正月の初子(はつね)の日に養蚕の神様を祀る儀式として蚕室を掃く「ほうき」として用いられました。
京都府伏見では酒桶の濁りの泡をふきとる時に使われます。
名前の由来
高野山でこの木の枝を「ほうき」の材料にしたことに由ります。
その他の情報
ナガバノコウヤボウキという似た木がありますが、 葉の裏に毛はほとんど無く、 花は二年目の枝の短い枝の先っぽに付きます。
関わりが深い生き物
花には、 ハナアブ、 ハナバチ、 チョウなどがやって来ます。