安馬谷里山

ニッケイ

日本のシナモンの木

この木を 親友 に登録

マイページの樹木帳に親友マーク が付きます。

特徴

花も実も小さくて目立たない木なので、 その辺の普通の木に見えますが、 枝葉、 特に根っこはシナモンの良い香りがします。 今は中国やインドのシナモンを使うことが多いのですが、 昔は人気のおやつでした。

以下の情報は、 関東地方を基準にしています。 エリアによって1ヶ月くらいの差があります。

樹形

10m以上になる木。 日当たりの良い場所ではこんもりとした樹形になります。

  • こんもり茂る葉
    写真 / MayaN

  • 少し葉が落ちてて、 寒い?
    写真 / minaei

葉の長さは10~15㎝ぐらいで、 ギザギザはなくのっぺりした葉。 葉脈は3つに分かれて葉裏は短い毛が生えています。 葉の柄をかじるとシナモンの香りがします。

  • 葉は交互だったり対についたりいろいろ
    写真 / minaei

  • 葉裏に短い毛
    写真 / minaei

  • 葉脈は3つに分かれる
    写真 / minaei

  • 葉裏は白っぽい
    写真 / MayaN

晩春から初夏、 クリーム色の小さな花を咲かせます。 クスノキの花を大きくしたような花です。

  • 淡いクリーム色の花
    写真 / 庭木図鑑植木ペディア

晩秋から初冬、 黒い実がなります。 実もクスノキも似ていますが、 クスノキが丸顔ら、 ニッケイは面長な形をしています。

  • つやのある黒い実
    写真 / 庭木図鑑植木ペディア

  • 若い実

幹・枝

樹皮は茶褐色で、 香りがあります。

  • 若木の樹皮

  • 太い木の樹皮
    写真 / minaei

人との関わり

昔は薬として利用されていましたが、 その後昭和まで駄菓子などのおやつとして親しまれました。 九州の人から「遠足の前日はニッケイの根っこを掘っておやつに持って行った。 」と聞きました。 ガチの根っこを洗ってかじると甘くて辛くてシナモンの香り、 見かけも味も刺激的なおやつです。 鹿児島にはけせん団子というニッケイの葉でくるんだ饅頭があり、 シナモンの香りがほんのりします。

  • 葉でくるんだ饅頭
    写真 / minaei

  • かじるとシナモンの香りと甘さと辛さを感じる
    写真 / minaei

  • 根は香るので他の根とは間違えることはない
    写真 / minaei

名前の由来

中国名「肉桂」の音読みでニッケイとなったとそうです。

その他の情報

かつては中国・台湾原産とされていましたが、 日本に自生するニッケイが確認され、 在来種となっています。

性格

寒いのと剪定が苦手なタイプ。 関東北部の少し寒い地域に植えられている木は葉色が薄くて葉が少なくて、 寒そうに見えます。 九州など暖かい地域では生長が早く大きくなります。 葉も花も地味な雰囲気ですが、 枝葉をちぎるとシナモンの良い香りで一目置かれます。

  • 生長が早いとばっさり剪定され、 翌年枯れました
    写真 / minaei

体験・遊び

ニッケイのリンゴ蒸しパン。 ホットケーキミックスはバニラの香りが強いのでニッケイの香りが感じられなくなります。 バニラを入れない蒸しパンのレシピで作りましょう。 蒸している最中とてもよい香りがします。 リンゴがなければ、 干しブドウをのせても良いし、 中にあんこを入れてもおいしいです。

  • 葉を洗ってペーパーで水気をとる
    写真 / minaei

  • リンゴを甘く煮てさましておく
    写真 / minaei

  • 卵、 牛乳、 小麦粉、 ベーキングパウダーと2ををまぜる
    写真 / minaei

  • 葉の上に3をのせて蒸す
    写真 / minaei

  • できあがり!
    写真 / minaei

関わりが深い生き物

いろいろな野鳥が実を食べてタネを運びます。

見られる場所

執筆協力 : 岩谷美苗

安馬谷里山 基本情報