千葉市都市緑化植物園

モクレン

太古のスタイルで今を生きる花の大御所

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特徴

シモクレン(紫木蓮)とも呼ばれます。
中国原産の大昔からある種類の木で、 公園や庭園で見かけることが出来ます。 春に咲く大きめで華やかな赤紫色の花は、 遠くからでも目立ちます。 秋に熟す実はでこぼこしていてユニークです。

以下の情報は、 関東地方を基準にしています。 エリアによって1ヶ月くらいの差があります。

樹形

樹高は高くても6m程度で、 ハクモクレンほど大きくはなりません。 2~4mの木が多く見られます。
庭木としてよく植えられます。

  • 枝は少々うねりやすい
    写真 / MayaN

  • 株立ちに仕立てた樹形
    写真 / MayaN

  • 剪定すると垂直に伸びがちな枝
    写真 / MayaN

葉は交互に並び、 サイズは8~20cmの厚めの葉っぱです。
縁にギザギザはありません。

  • 先が太くなり、 最後はツンと尖る。 葉のふちは波打つ
    写真 / MayaN

  • 目立たないが、 葉脈には毛がある
    写真 / MayaN

  • 新芽は長い毛が目立つ
    写真 / MayaN

  • 葉っぱを守る托葉。 これがモクレン科の特徴
    写真 / minaei

春、 葉より少し早いか、 同時に花が咲きます。 6枚のへら状の花びらは先が丸くなっています。
花の中心にはたくさんのおしべとめしべがついた棒があります。 始めにめしべが開いて、 そのあと閉じて、 つけ根のおしべが開きます。
香りはありますが、 蜜はありません。

  • 花の色は濃いものや薄いものがある。 花びらの内側と外側でも色の濃さは様々
    写真 / MayaN

  • 「雌の時期」から「雄の時期」に変化する花
    これは雌しべが開いた時期
    写真 / MayaN

  • 雄しべの開いている時期
    写真 / MayaN

  • 外側に小さい花被片が3枚付く
    写真 / MayaN

  • 花びらの落ちた後に見ると構造がわかりやすい。 花の中心の軸には外側から順に花びら、 雄しべ、 雌しべが螺旋状に付く
    写真 / MayaN

  • 狂い咲きをする花を見かけることもある
    写真 / MayaN

袋状の実が集まって付きます。 受粉しなかった部分はふくらまないので、 実はでこぼこしています。
熟すと紅色になり、 中からオレンジ色の種が出てきます。

  • 集合果。 受粉した部分がふくらむ
    写真 / 庭木図鑑植木ペディア

  • 花の終り。 上部の雌しべの付いていたところが膨らんで実になる
    写真 / MayaN

幹・枝

幹は灰白色の樹皮です。 枝には一周まわる托葉の痕があり、 これがモクレンの仲間の木の特徴です。

  • でこぼこがない平らな樹皮
    写真 / MayaN

  • 托葉が枝をぐるりと包む
    写真 / minaei

  • 托葉が取れて、 ぐるりと一周つながる線ができる
    写真 / minaei

冬芽・葉痕

大きな花芽は長めの毛に、 小さめな葉芽は短い毛におおわれています。 ハクモクレンよりも先がとがり、 毛が伏しているのですが、 はっきりと見分けることは難しそうです。 葉痕の維管束痕はたくさんあり、 ばらばらと散らばります。

  • 先が少し細くなっている
    写真 / MayaN

  • ふわふわの皮を何回か脱いで花が開く
    写真 / MayaN

人との関わり

モクレンは中国から平安時代に、 主に薬用の目的で日本に持ち込まれたと言われています。

名前の由来

昔は漢名の「木欄」からモクレンと呼ばれていたとされますが、 その後、 花がハスに似ていることから「木蓮」と表記されるようになったと言われます。

その他の情報

・モクレンの仲間の花は、 雌性先熟(雌しべが熟した後、 雄しべが熟す)で同じ花の中で受粉することを防いでいます。
・モクレンとハクモクレンの交雑種のソコベニハクモクレン(別名 : サラサモクレン)など様々な品種があります。

  • モクレンとハクモクレンの交雑種
    写真 / MayaN

  • モクレンとハクモクレンの交雑種の花
    写真 / MayaN

性格

モクレンの仲間は1億年前ごろに生まれたのではないかと言われています。 モクレンは今に合わせることなく、 はるか昔のスタイルで暮らしています。 そもそもモクレンの仲間は、 地球上で初めて現れた花らしい花だったのかもしれません。 革命的な誕生だったのではないでしょうか?モクレンには花の大御所のような貫録があります。

  • 一億年前は新しかった花?
    写真 / MayaN

体験・遊び

花が咲いたら香りを嗅いでみたり、 めしべやおしべがひらく様子を観察をしてみましょう。 花は最初はめしべが開きますが、 交代するようにめしべは閉じ、 おしべが開きます。 花にはどんな生き物がやってくるのかも観察してみましょう。

  • めしべが閉じておしべが開く「雄の時期」の花
    写真 / MayaN

関わりが深い生き物

コブシハバチの幼虫が葉を食べます。
つぼみや花を食べにヒヨドリがやって来ます。

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