津久井湖城山公園

ヤマナシ

売ってるナシのもとになった木

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特徴

大昔に中国から持ち込まれ、 日本では野生化したともいわれています。
和ナシは甘くてジューシーでとっても美味しいですが、 その原種がヤマナシです。 白い花を咲かせ実が付きますが、 和ナシのイメージに反して、 硬くて美味しくありません。
「どうせおいしくない」とあきらめず、 美味しい実を見出した人達のご苦労が思い図られる木です。

みんなの投稿

以下の情報は、 関東地方を基準にしています。 エリアによって1ヶ月くらいの差があります。

樹形

樹高5~10mになる落葉小高木です。 山麓の林内に孤立した大きめの木を見かけることがあります。

  • 林縁などに生える
    写真 / MayaN

  • 短い枝がたくさん付く
    写真 / MayaN

葉は交互につき、 丸みがあります。 柄が長く、 ギザギザが糸状で細かいです。

  • サイズは6-15㎝で丸味のある葉っぱ
    写真 / MayaN

  • 表裏ともはじめ褐色の軟らかい毛があるが、 次第に無くなる
    写真 / MayaN

  • ギザギザのさきっぽは糸状になる
    写真 / MayaN

  • 柄が長く、 枝先にまとまって付く
    写真 / MayaN

  • 互生だが、 枝先の葉は冬芽を挟んで対生の様に付くこともある
    写真 / MayaN

春、 短い枝の先に白い花が咲きます。 木を覆うように、 たくさん付く花は大木になるほど見応えがあります。

  • 白い花びらが5枚
    写真 / MayaN

  • 花びらは丸い形
    写真 / MayaN

  • 20個ほど付く雄しべの先が赤くて可愛い
    写真 / MayaN

  • 花の柄も長く、 萼は5枚
    写真 / MayaN

  • 花びらが落ちると雄しべが一層目立つ
    写真 / MayaN

直径2~5㎝の丸い実がなります。 秋、 黄褐色に熟しますが、 硬くてしぶいです。

  • 秋に小さい実が熟す。 頂部に萼片は無い
    写真 / 庭木図鑑植木ペディア

  • 若い実は緑色
    写真 / 神奈川県津久井城山公園

幹・枝

成長した木の樹皮は縦にさけます。 短い枝がよく出て、 ときに刺状になります。

  • 縦によく裂ける
    写真 / MayaN

  • 暗めの褐色の樹皮
    写真 / MayaN

  • 短い枝には葉芽や花芽が付く
    写真 / MayaN

冬芽・葉痕

枝先の芽は大きく、 茶色の5〜8枚ほどの芽鱗に包まれています。 葉痕の維管束痕は3つで、 お顔に見えます。

  • 芽鱗のふちに少し毛がある
    写真 / MayaN

  • 少しふくらんでくると、 赤い部分がでてくる
    写真 / MayaN

  • 美しい色のコントラスト
    写真 / MayaN

  • 短い枝に、 葉痕のお顔がぎゅっとつまって縦に並びます
    写真 / 庭木図鑑植木ペディア

人との関わり

実の食用以外に、 樹皮は染料として利用されます。

名前の由来

山に生えるナシということで、 ヤマナシとなったと言われています。
ナシは根白実(ネシロミ)の略であるという説があります。

その他の情報

ヤマナシに近縁のアオナシは絶滅危惧種です。 ナシの花はあまり良い匂いではありません。 外で嗅ぐと分かりにくいですが、 花を部屋に持って帰ると「あれ?生ごみためてた?」みたいな匂いがします。

  • アオナシの花
    写真 / minaei

性格

実は硬くてしぶくて・・・「あんまりおいしくない・・」とわざわざ中国から持ってきて育てた人は、 がっかりしたかもしれない・・・なんだか訳アリ樹木。
しかしこの木から今の和ナシを見出したのは人。 人のすごさも教えてくれるのがヤマナシなのです!二十世紀ナシなどは突然変異で生まれたそうです。
これはすべての樹木に言えるわけで、 まずいという木でも、 「あれ?うまい!」ってことが起こりうるという宝探しのような出来事なのです。

  • 二十世紀ナシはヤマナシの突然変異
    写真 / いらすとや

体験・遊び

ヤマナシの果実酒はおいしいようです。

関わりが深い生き物

花にはいろいろな昆虫が訪れ、 受粉の手伝いをします。

見られる場所

津久井湖城山公園 基本情報