イスノキ

虫こぶと木材がすごい木

特徴

イスノキは関東以西の木。 九州や四国など暖かい地域で見られます。 葉の虫こぶが個性的と思われていますが、 じつは中身の木材がすごい木です。 重くて硬くて丈夫な木材は、 木刀から家具や楽器、 フローリングまで利用されます。

以下の情報は、 関東地方を基準にしています。 エリアによって1ヶ月くらいの差があります。

樹形

高木となる木です。 樹形を整えるのは難しく、 自由奔放です。

  • 葉のぶつぶつが目印
    写真 / 2021.10.28 千葉県習志野市 MayaN

  • 森では見過ごしそうな雰囲気
    写真 / 2024.10.12 川崎市緑化センター minaei

葉の先端はやさしくとがり、 交互に並びます。 葉に虫こぶがあることが多いです。

  • 虫こぶの有る葉。 葉のサイズは3~7㎝
    写真 / 2024.9.19 東京都文京区 Tamacha

  • 葉裏。 虫こぶはアブラムシなど寄生生物のお家のようなもの
    写真 / 2024.9.19 東京都文京区 Tamacha

  • 虫こぶは大きいと実のように見える
    写真 / 2021.2.25 東京都江戸川区葛西臨海公園 MasakoT

  • 虫こぶだらけになる事もある
    写真 / 2021.10.28 千葉県習志野市 MayaN

  • 新芽は黄金色!
    写真 / 2022.4.11 千葉県習志野市 MasakoT

早春から晩春、 花は複数集まって咲き、 上の方は両性花、 下は雄花をつけます。

  • 上の方の両性花。 先っぽの二又に分かれているのが雌しべ。 楕円形の葯がついているのが雄しべ
    写真 / 2022.4.10 千葉県習志野市 MasakoT

  • 下の方は雄花だけ
    写真 / 2022.4.10 千葉県習志野市 MasakoT

  • 花芽。 花びらは無い
    写真 / 2012.4.2 東京都江戸川区葛西臨海公園 MasakoT

夏の終りから秋にかけて、 先がとがった実がなります。 この実も虫こぶになるといろんな形になります。

  • 若い実
    写真 / 2020.10.23 千葉市美浜区 MasakoT

  • 角の生えた1㎝ほどの丸い実
    写真 / 庭木図鑑植木ペディア

幹・枝

若い樹皮はなめらかで、 大木になると鱗のようにはがれます。

  • 幹はのっぺりしている
    写真 / 2024.10.12 川崎市緑化センター minaei

冬芽・葉痕

先がヒュンととがり、 茶色い毛のある芽です。 初めは托葉という小さな葉のようなものに挟まれていますが、 それはすぐに落ちてしまいます。

  • 赤ちゃんを抱っこしているような芽
    写真 / 2024.9.19 東京都文京区 Tamacha

  • こちらも抱っこスタイル
    写真 / 2024.9.19 東京都文京区 Tamacha

人との関わり

木材を細工物、 楽器、 櫛などに利用されます。 縁起の良い木とする地域もあるようです。

  • 人々の生活に利用されてきた木
    写真 / 庭木図鑑植木ペディア

名前の由来

髪を洗いとかすことを古語で「ゆする」といい、 櫛として使われたイスノキは由之(ゆし)や柞(いす)と呼ばれたことからイスノキとなったと言われています。
名前の由来には諸説ありますが、 椅子を作る木というわけではなさそうでうs。

  • 髪を洗いとかすことを古語で「ゆする」といい、 櫛として使われたイスノキは由之(ゆし)や柞(いす)と呼ばれた
    写真 / 2005.6.2 千葉市美浜区 MasakoT

性格

虫こぶが無かったら、 何の木かわからないぐらい地味な木です。 まるで眼鏡で個性的なキャラになっている人。 眼鏡をはずせば誰だかわかりません。 本当はみかけより中身に個性があります。 イスノキの木材は日本の木材の中では一番重く、 硬くて丈夫です。 残念ながら、 重いのでイスはあまり作られないようです。

  • イスノキのキーホルダー
    写真 / 2024.11.29 minaei

体験・遊び

大きな虫こぶは穴があき、 そこを吹くとひょんとなるから、 ヒョンノキとも呼ばれています。 アブラムシが出て行った後の虫こぶを見つけ、 ゴミをとりのぞいて、 吹いてみましょう。

  • ここを吹くとひょんとなる?
    写真 / 2016.11.29 minaei

  • 大きな虫こぶ
    写真 / 2024.10.27 東京都練馬区 Tamacha