安馬谷里山

バクチノキ

博打に負けて裸になった!?

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特徴

樹皮が次々とはがれる様子を、 「博打」(ばくち)に負け続け、 「金が払えないなら、 着ているものを置いていけ」と、 着物をはがされる人に例えて名前がついたと言われています。
赤くなった樹皮は痛々しく見えますが、 普通の成長です。
こう見えてじつはサクラの仲間(サクラ属)です。

以下の情報は、 関東地方を基準にしています。 エリアによって1ヶ月くらいの差があります。

  • Peak Season
  • Blossom
  • Leaf
  • Fruit
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
見頃

高さ

高木 (10~30m)

花の性別

雌雄同株

分布

本州(関東南部以西)、 四国、 九州、 琉球、 済州島、 中国(中南部)、 台湾、 ベトナム(北部)

生息地

低山地から山地の谷間や海沿い、 少し湿り気のある斜面など

分布

本州(関東南部以西)、 四国、 九州、 琉球、 済州島、 中国(中南部)、 台湾、 ベトナム(北部)

生息地

低山地から山地の谷間や海沿い、 少し湿り気のある斜面など

学名

Prunus zippeliana

樹形

常緑で、 高さ10〜15mにもなる高木です。 幹の直径も1mくらいになるものもあります。

  • 斜面でも大きくなっている
    写真 / MayaN

  • 見上げても梢がどこにあるのかわからない
    写真 / Tamacha

長さが20cm近くになる細長くとがった葉です。 毛はなくつるつるしていて、 縁には細かく鋭いギザギザがあります。 柄にイボのような蜜腺があります。

  • 葉のつき方は互生
    写真 / Tamacha

  • 柄に2こずつある蜜腺がある。 サクラ属に共通する特徴。
    写真 / Tamacha

  • 裏側もツルスベ
    写真 / Tamacha

秋、 その年の新しい枝の葉の脇から、 小さな白い花が集まった3cmくらいの花の房をつけます。 長い雄しべが30〜50本もあって、 フサフサして見えます。

  • 1つの花は直径6〜7mmで花弁は5こ
    写真 / Tamacha

  • 房の下から上へ向かって咲く
    写真 / Tamacha

  • これから伸びていこうとしているつぼみ
    写真 / Tamacha

細長い実は、 花が咲いた翌年の春に熟します。

  • 先がピュンととがり、 濃い赤色の実
    写真 / Tamacha

幹・枝

樹皮は茶色っぽい灰色で、 剥がれ落ちると赤っぽい茶色になり、 まだらな模様のようになります。 身ぐるみ剥がされたような、 日焼けして皮がむけたような痛々しい感じですが、 普通の成長です。

  • このまだら模様がバクチノキの特徴
    写真 / Tamacha

  • よく見るときれいな色
    写真 / Tamacha

  • 若く細い枝は灰色でしなやか
    写真 / Tamacha

冬芽・葉痕

うすい茶色の小さな硬い冬芽です。 多くのバラ科の木と同じように、 葉痕の維管束痕は3こで、 お顔に見えます。

  • おにぎり型のかたまりのように見える芽
    写真 / Tamacha

  • 葉痕の形も逆おにぎり型
    写真 / Tamacha

人との関わり

美しく高級な木材であるマホガニーの代用品として、 家具や器具を作るのに使われます。 また、 また、 葉を水蒸気で蒸留し、 杏仁水(きょうにんすい・ばくち水とも呼ばれる)をつくり、 咳止め薬として使われます。
樹皮からは黄色の染料をとります。

名前の由来

樹皮が次々とはがれる様子を、 「博打」(ばくち)に負け続け、 「金が払えないなら、 着ているものを置いていけ」と、 着物をはがされる人に例えた名前です。
「ビランジュ」という別名もあります。 これは仏教の物語に出てくる「毘蘭樹」(びらんじゅ)と誤認した(本当の毘蘭樹はヤマグルマという木)という説や、 木肌がはがれるのを糜爛(びらん)という皮膚病に例えたという説があります。

  • 時代劇などで見るかもしれないバクチ

性格

「博打に負けて身ぐるみはがされる」バクチノキですが、 1度や2度でこりるわけではなく、 老木になっても博打に負け続け(?)、 樹皮ははがれ続けます。 そうやっていつの時代になっても、 人間に「博打とはこういうもの」と身をもって教え続けてくれている反面教師なのです。

関わりが深い生き物

花にはハチなどの昆虫が訪れます。
葉の柄には蜜腺があり、 アリをおびき寄せ、 天敵から葉を守ってもらいます。

見られる場所

安馬谷里山 基本情報

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