イワガラミ

ひかえめなつる植物

特徴

つる性のアジサイかな?と思ってよく見ると、 装飾花の花びらはピラピラと1枚。 木や岩の上をゆっくりとはい上り、 明るいところで暮らします。 葉をもむとキュウリの香りがします。

以下の情報は、 関東地方を基準にしています。 エリアによって1ヶ月くらいの差があります。

樹形

幹や枝から短い根をたくさん出し、 他の木や岩をはい上がって伸びていきます。 といっても、 大きな木をのっとり、 枯らしてしまうくらい枝葉でおおうことはないようです。

  • 大きな木の下の方で枝を伸ばしている
    写真 / 2022.6.30 新潟県長岡市 MayaN

  • 幹をはい上がる。 (紐のようなつるは他の植物)
    写真 / 2022.6.30 新潟県長岡市 MayaN

  • 名前の通り岩の上をはっている
    写真 / 2017.7.2 茨城県つくば市 htanaka

  • 枯れた木の上まで伸びている
    写真 / 2024.6.17 秋田県横手市 Tamacha

  • 黄葉の季節に全体像がわかる
    写真 / 2023.11.5 栃木県那須町 MayaN

先がヒュンととがったハート型をしています。 縁には先のとがったギザギザがあり、 葉の先へいくほどギザギザは大きくなります。 葉をもむと、 キュウリのような香りがします。

  • 葉は対生につく
    写真 / 2024.11.14 新潟県長岡市 Tamacha

  • 裏は白っぽく、 脈に沿って長い毛がある
    写真 / 2022.6.30 新潟県長岡市 MayaN

  • 先が長くとがる葉
    写真 / 2022.6.30 新潟県長岡市 MayaN

  • 小さめな葉はハートに見えないものもある
    写真 / 2022.6.30 新潟県長岡市 MayaN

  • 秋にひかえめに黄葉する
    写真 / 2023.11.5 栃木県那須町 MayaN

ガクアジサイと似ていますが、 周りに並ぶ装飾花の花びら(がく片)は1枚だけです。 真ん中に集まっているのが、 ちっちゃな雄しべと雌しべのある両性花です。

  • 装飾花がぐるりと囲む
    写真 / 2011.6.9 東京都文京区 MasakoT

  • 萼片が1枚だけでもけっこう華やか
    写真 / 2022.6.30 新潟県長岡市 MasakoT

  • 10この雄しべは長くてふさふさに見える
    写真 / 2017.7.2 茨城県つくば市 htanaka

  • 丸いつぼみがたくさん
    写真 / 2011.6.19 茨城県つくば市 htanaka

真ん中に集まっている小さな花がそれぞれ実になります。 熟すと茶色くなり、 ふたがあって下がとがったカップのような実の中に、 細長い種が入っています。

  • 熟した実は、 ふたのあるカップの形
    写真 / 2022.10.16 茨城県つくば市 htanaka

  • 若い実。 ちっちゃな萼片と花柱が残っている
    写真 / 2022.6.30 新潟県長岡市 MayaN

  • カップの形の実が熟してくる
    写真 / 2024.11.14 新潟県長岡市 Tamacha

  • 冬、 まとまった花の形のまま雪の上に落ちている
    写真 / 2019.2.28 北海道亀田郡 Tamacha

幹・枝

若い枝は赤茶色。 太くなってくると、 樹皮が縦に裂けてはがれ落ち、 灰色になります。 幹や枝からは小さな根をたくさん出して他の木や岩にくっつき、 伸びていきます。

  • 気根をたくさん出している若い枝
    写真 / 2024.11.14 新潟県長岡市 Tamacha

  • 太くなってきた枝
    写真 / 2024.11.14 新潟県長岡市 Tamacha

  • 小さな葉のついた、 先端の枝
    写真 / 2024.11.14 新潟県長岡市 Tamacha

  • 空中にも枝を伸ばす
    写真 / 2024.11.14 新潟県長岡市 Tamacha

  • 太い幹には縦の筋がある
    写真 / 2022.6.30 新潟県長岡市 MayaN

冬芽・葉痕

短い毛のある三角帽子のような芽です。 芽鱗は赤っぽいものや薄茶色のものがあります。 葉痕の維管束痕は3つで、 お顔に見えます。

  • お腹が減っているかのような表情
    写真 / 2021.3.7 東京都文京区 MasakoT

  • 目がキラキラしている!
    写真 / 2023.11.12 栃木県那須町 Tamacha

  • 大きな葉痕のお顔に目がいくが、 枝先より下の芽はちっちゃい
    写真 / 2024.11.14 新潟県長岡市 Tamacha

人との関わり

生長の遅いツル植物なので、 庭木として静かな人気があります。 新芽を食用にされ、 道路緑化や防音壁にも使われます。

  • 鉢植えのイワガラミ
    写真 / 2017.6.19 東京都国分寺市 minaei

名前の由来

岩などにからみつく様子からイワガラミとなったようです。

  • 岩の上をはうイワガラミ
    写真 / 2017.7.2 茨城県つくば市 htanaka

性格

つる植物は「私が私が!」とぐいぐい前に出るタイプで、 つる植物に覆われた木は迷惑します。 でもイワガラミは違って、 つるなのに謙虚で生長が遅いです。 よくにているツルアジサイも謙虚仲間です。 このつるたちに限っては木を覆うことはなく、 幹の下の方でゆっくり暮らしています。

  • 木の下の方で暮らす
    写真 / 2022.6.30 新潟県長岡市 MayaN

体験・遊び

イワガラミの葉をちぎって嗅ぐとキュウリの匂いがします。 若葉は食べることができ、 そのまま天ぷらやゆでてさらして和え物で食べます。 ツタウルシがあるところに一緒にはえていたりするので、 ツタウルシと間違えてかぶれないように気をつけましょう。

  • 葉はキュウリのにおい
    写真 / 2022.6.30 新潟県長岡市 MayaN

見られる場所