ハリガネムシ

カマキリを操るクネクネした寄生虫

  • 水の中でクネクネ動く。
    写真 / 2024.2.16 千葉市若葉区

  • 手触りは?乾燥すると針金のように硬くなる。
    写真 / 2024.2.16 千葉市若葉区

特徴

ハリガネムシの仲間は日本に十数種おり、 水中では水生昆虫に、 陸上ではカマキリ、 カマドウマなどに寄生します。 夏~冬、 ハリガネムシが宿主から脱出して、 水の中をクネクネしている姿が見られます。

※正確な(しゅ)の判定は、 形態を細部まで見る必要があります。 ​

ハリガネムシの一生

カマキリのお腹の中で育ったハリガネムシは、 成体になるとカマキリに水に入るように誘導します。 ハリガネムシは水中で産卵し、 ふ化した幼生は水生昆虫の幼虫に寄生します。 水生昆虫の幼虫が羽化し陸に飛び立つと、 カマキリ(など)に食べられます。 ハリガネムシはカマキリのお腹の中で大きく育ちます。

  • ハリガネムシはカマキリに水に入るように命令する。

  • 水生昆虫に食べられたハリガネムシの幼生は、 休眠状態になる。

わなにかかるカマキリ

ハリガネムシに操られたカマキリは、 水面の水平偏光(波の振動が水平方向に偏った光)に引き寄せられて水に飛び込むことが知られています。 アスファルト道路も水平偏光を反射します。 カマキリは水面と間違えて道路に向かい、 多くが命を落とします。

  • 道路で、 ハラビロカマキリから脱出したハリガネムシ。
    写真 / 2019.10.30 千葉県船橋市 MasakoT