ヒダハタケ

菌類学者の命をうばった毒きのこ。

  • キャンプ場のヤマハンノキの近くに生えるヒダハタケ。
    写真 / 2022.8.26 福島県桧枝岐村 大作晃一

  • シラビソの根の近くに生えるヒダハタケ。
    写真 / 2022.9.13 福島県桧枝岐村 大作晃一

  • さわると濃色に変色して汚らしくなる。
    写真 / 2022.8.26 福島県桧枝岐村 大作晃一

  • 傘の表面は綿毛状。
    写真 / 2022.9.13 福島県桧枝岐村 大作晃一

  • 傘の裏面は黄色~褐色。
    写真 / 2022.8.26 福島県桧枝岐村 大作晃一

  • ひだは柄の付近で網目状になる。
    写真 / 2022.8.26 福島県桧枝岐村 大作晃一

  • 柄は黄色。 傷ついたとこが濃色になる。
    写真 / 2022.8.26 福島県桧枝岐村 大作晃一

特徴

一見、 あんまり特徴のなさそうなきのこですが、 触るとすぐに変色して、 汚らしくなるのが見分けるポントです。 ひだは柄の付近で網目状になってることも注目です。
 
大きさ : 傘の直径は4~10cm
生える時期 : 秋
生える場所 : 針葉樹や広葉樹の近くの地面や枯れ木。

※正確な(しゅ)の判定は、 形態を細部まで見る必要があります。 ​

トピック

ドイツの菌類学者 シェーファー先生(Julius Schäffer)は、 夫婦でヒダハタケ料理をランチしたところ、 中毒をおこし17日後に亡くなりました。 1944年10月21日のことでした。
 
シェーファー先生のメモは、 1952年に妻のリーゼル(Liesel)が他の菌類学者の協力を得て出版しました。 ベニタケ属の新種として Russula laeta Jul. Schäff. の記載がありました。
 
シェーファー先生は、 特にハラタケ属の種を見分けるときに便利な反応液を作ったことで有名です。 唯一きのこで命を落とした菌類学者です。

きのこの注意点

食用きのこの種類がわかるようになるには、 正しい知識と十分な経験が必要です。 確実にわからないきのこは食べないでください。 中毒して死ぬこともあります。

注意点

ヒダハタケは北半球の温帯以北に広く分布し、 かつてヨーロッパでは食用としていました。 また、 加熱しないで食べると中毒することが知られていました。