リュウノウギク

晩秋(ばんしゅう)に咲く(さく)白い(しろい)野菊(のぎく)

茎(くき)は細く(ほそく)、まっすぐに立ち上がら(たちあがら)ないで斜(はす)上し(じょうし)たり垂れ(たれ)下っ(くだっ)たりする。
写真(しゃしん) / 2016.11.16 千葉(ちば)県(けん)泉(いずみ)自然(しぜん)公園(こうえん) SogaToshio
白い(しろい)舌(した)状(じょう)花(はな)は他(た)の野菊(のぎく)に比べ(くらべ)て数(かず)が多く(おおく)、やや大きく(おおきく)、長(ちょう)楕円(だえん)形(がた)で丸み(まるみ)がある。
写真(しゃしん) / 2016.11.16 千葉(ちば)県(けん)泉(いずみ)自然(しぜん)公園(こうえん) SogaToshio
葉(は)は3裂し、裂片がさらに浅く(あさく)不規則(ふきそく)に避ける(さける)。両面(りょうめん)に毛(け)が生え(はえ)ていて白っぽく(しろっぽく)見える(みえる)。
写真(しゃしん) / 2018.11.12 千葉(ちば)県(けん)泉(いずみ)自然(しぜん)公園(こうえん) SogaToshio
黄色い(きいろい)筒(つつ)状(じょう)花(はな)の中(なか)から雌しべ(めしべ)が伸び(のび)、柱頭(ちゅうとう)が2つに分かれ(わかれ)ている（ノコンギクは柱頭(ちゅうとう)が三角形(さんかっけい)になる）。
写真(しゃしん) / 2017.11.19 茨城(いばらき)県(けん)加波山(かばさん) htanaka
斜面(しゃめん)や崖(がけ)に下垂(かすい)することが多い(おおい)。花(はな)が終わる(おわる)頃(ころ)、舌(した)状(じょう)花(はな)が淡紅(あわべに)色(しょく)になることがある。
写真(しゃしん) / 2017.11.19 茨城(いばらき)県(けん)加波山(かばさん) htanaka

特徴(とくちょう)

秋(あき)の野菊(のぎく)の一つ(ひとつ)で、日当たり(ひあたり)の良い(よい)斜面(しゃめん)などで一番(いちばん)遅く(おそく)に白い(しろい)花(はな)を咲かせ(さかせ)ます。栽培(さいばい)するキクに似(に)た丸み(まるみ)のある葉(は)が特徴(とくちょう)です。
　　
タイプ：キク科(か)キク属(ぞく)の多年草(たねんそう)
大き(おおき)さ：高(たか)さ 40-80cm、頭(あたま)花(はな)の径2.5-5cm
花(はな)の時期(じき)：10-11月(つき)
生育(せいいく)場所(ばしょ)：日当たり(ひあたり)のよい山地(さんち)の斜面(しゃめん)
分布(ぶんぷ)：本州(ほんしゅう)（宮城(みやぎ)県(けん)南部(なんぶ)・新潟(にいがた)県(けん)以西(いせい)）、四国(しこく)、九州(きゅうしゅう)(宮崎(みやざき)県(けん)）

※正確(せいかく)な種(しゅ)の判定(はんてい)は、形態(けいたい)を細部(さいぶ)まで見る(みる)必要(ひつよう)があります。

名(な)の由来(ゆらい)

葉(は)をもむと竜脳(りゅうのう)（りゅうのう）の香り(かおり)がするのが名(な)の由来(ゆらい)です。竜脳(りゅうのう)は東南アジア(とうなんあじあ)原産(げんさん)の竜脳(りゅうのう)樹(じゅ)（リュウノウジュ）からとれる精油(せいゆ)からつくられた透明(とうめい)な結晶(けっしょう)で、香料(こうりょう)や薬用(やくよう)として古代(こだい)から珍重(ちんちょう)され交易(こうえき)品(ひん)となっていました。クスノキからとれる樟脳(しょうのう)（しょうのう）に似(に)た香り(かおり)がします。

執筆(しっぴつ)協力(きょうりょく) : 田中(たなか)ひとみ