イヌチャセンシダ

垂れ下がる葉と3本のひれがポイント

  • 湿った岩場に生える。
    写真 / 2024.6 静岡県 S.Ikeda

  • 根茎を短く斜上させて葉を出す。
    チャセンシダよりも垂れて生えていることが多い。
    写真 / 2024.6 静岡県 S.Ikeda

  • 葉軸上によく無性芽をつける。
    チャセンシダはつけるのがまれ。
    写真 / 2024.6 静岡県 S.Ikeda

  • 葉先。
    いきなり途切れている感じのことも多い。
    写真 / 2023.7 静岡県 S.Ikeda

  • 羽片。
    濃い緑色で、 フチに丸みのある鋸歯がある。
    写真 / 2023.7 静岡県 S.Ikeda

  • 葉軸の拡大。
    両脇にひれ(翼)がある
    写真 / 2023.7 静岡県 S.Ikeda

  • 葉裏。
    胞子のう群は線のように細い。
    写真 / 2024.6 静岡県 S.Ikeda

  • 裏の葉軸。
    中央に3本目の翼がある。
    写真 / 2023.7 静岡県 S.Ikeda

  • 葉柄基部。
    黒っぽくてフチが薄い色をした鱗片があるが、 見えにくい。
    写真 / 2024.6 静岡県 S.Ikeda

  • 新芽。
    小さくてクルクル。
    写真 / 2024.6 静岡県 S.Ikeda

特徴

石垣などで見られる細長いシダ。 チャセンシダに似ていますが、 葉は垂らすように出て、 湿った場所でよく見られます。 一番の違いは、 表の葉軸の左右のフチに加えて裏の中央に翼(よく)があることです。
 
葉の長さ : 10~30cm
観察の時期 : 一年中(常緑性)
生える場所 : 山地の湿った石垣など
分布 : 本州(秋田-神奈川以西)、 四国、 九州、 朝鮮、 台湾、 中国

※正確な(しゅ)の判定は、 形態を細部まで見る必要があります。 ​

似た仲間と見分け方

より普通に見られるチャセンシダとの決定的な違いは翼の本数ですが、 それ以外にも見分けポイントがいくつかあります。
 
●チャセンシダは①葉軸の翼が表の左右2本のみで裏側にはなく、 ②葉は黄色みが強いことが多く、 ③葉軸に無性芽をつけることは少なく、 ④あまり垂れずに広がっていることが多く、 ⑤乾いた場所に多めです。

  • 葉軸の断面の翼の比較。
    表側の2本は共通していて、 イヌはさらに裏側に1本あることがわかる。
    写真 / S.Ikeda