エゾデンダ

北海道に多いオシャグジ

  • 山地の岩場や木の幹に生える。
    デンダはシダの古い言い方。
    写真 / 2023.8 北海道 S.Ikeda

  • 根茎をやや長くはって葉を出す。
    写真 / 2023.8 北海道 S.Ikeda

  • 葉の表面。
    裂片は5~15対ほどで、 ツヤがなくやわらかい。
    別種のオシャグジデンダより裂片は短く太い印象。
    写真 / 2023.8 北海道 S.Ikeda

  • 裂片。
    先は丸みがあり、 フチに低い鋸歯がある。
    写真 / 2023.8 北海道 S.Ikeda

  • 葉裏上部。
    大きな胞子のう群をつける。
    写真 / 2023.8 北海道 S.Ikeda

  • 胞子のう群は円形。
    裂片のややフチ寄りにつける。
    オオエゾデンダは脈寄りにつける。
    写真 / 2023.8 北海道 S.Ikeda

  • 葉裏下部。
    上部含めて毛はない。
    オシャグジデンダは長めの毛が多い。
    写真 / 2023.8 北海道 S.Ikeda

  • 葉柄基部。
    フチに突起があり、 中央が濃い茶色の鱗片をつける。
    オシャグジデンダとオオエゾデンダはいずれも全体がうすい茶色の鱗片をつける。
    写真 / 2023.8 北海道 S.Ikeda

特徴

蝦夷(えぞ)の通り北海道に多いシダで、 本州での分布は限られます。 葉は丸みのあるように大きく切れ込み、 葉裏に丸くて大きな胞子のう群をつけます。 より普通に見られるオシャグジデンダに似ていますが、 葉裏に毛はなく、 乾燥しても葉を曲げません。
 
葉の長さ : 10~25cm
観察の時期 : 一年中(常緑性)
生える場所 : 岩場や樹幹
分布 : 北海道、 本州(中部以東)、 朝鮮、 中国、 極東ロシア、 モンゴル

※正確な(しゅ)の判定は、 形態を細部まで見る必要があります。 ​

似た仲間との見分け方

オシャグジデンダとオオエゾデンダが似ています。 中間的な特徴だった場合は雑種の可能性もあります。
 
●オシャグジデンダは①より普通で、 ②葉裏の脈上に毛が多く、 ③葉柄基部の鱗片は全体がうすい茶色で、 ④夏になると葉を枯らす冬緑性で、 ⑤乾燥標本にすると葉をくるっと曲げます。
 
●オオエゾデンダは①よりまれで、 ②胞子のう群をやや中心の脈寄りにつけ、 ③葉柄基部の鱗片は全体がうすい茶色です。

  • 葉裏の比較。
    オシャグジデンダは長い毛が多い。
    写真 / S.Ikeda