サワギキョウ

紫色の豪華な花束

  • 群生する姿が美しい。 茎は枝分かれしない。
    写真 / 2023.07.14 長野県原村 I.Watanabe

  • 唇形の花が茎の先に長く穂状につき、 下から順番に咲き上がっていく。
    写真 / 2022.08.20 福島県檜枝岐村 Nayan.M

  • 花は早朝から咲き始める。 最初は雄しべが熟し、 吸蜜に来たチョウが触れると、 花粉が花びらの上にこぼれ落ちる。
    写真 / 2023.08.06 長野県原村 I.Watanabe

  • 次に雌しべが成長(写真の赤矢印)し、 花粉をつけた昆虫が雌しべの柱頭に花粉をつけ受粉する.。
    写真 / 2023.08.06 長野県原村 I.Watanabe

  • 受粉後、 果実が成長(赤矢印)する。 雌しべの柱頭がまだ残っている。
    写真 / 2023.08.15 長野県原村 I.Watanabe

  • 果実が鈴なり。
    写真 / 2022.08.20 福島県檜枝岐村 Nayan.M

  • 熟した果実。 合体した5枚のがく片(青矢印)、 果皮(緑矢印)、 果実の先に残る雌しべの柱頭(赤矢印)が観察できる。
    写真 / 2023.10.06 長野県原村 I.Watanabe

  • 果皮を開くと種が詰まっていた。
    写真 / 2023.10.06 長野県原村 I.Watanabe

  • 長い雌しべの柱頭が、 果実の完熟後もまだ残っている。
    写真 / 2023.10.06 長野県原村 I.Watanabe

  • 葉は階段状に互い違いにつくため、 上から見ると輪になって着いているように見える。
    写真 / 2023.08.06 長野県原村 I.Watanabe

特徴

夏の終わりに鮮やかな紫色の花が山野の湿原を彩ります。 花びらが大きく切れ込む花が群れる様は、 一斉に飛び立つ鳥の姿にも見え、 湿原散策の楽しみの一つです。
  
タイプ : キキョウ科ミゾカクシ属の多年草
大きさ : 高さは50~100cm 
花の時期 : 8月~9月
生える場所 : 山野、 湿原
分布 : 南千島・北海道~九州、 朝鮮半島・中国・千島列島・サハリン・シベリア東部・カムチャッカ半島  

※正確な(しゅ)の判定は、 形態を細部まで見る必要があります。 ​

注意点

若芽や茎を含む全草に、 有毒なアルカロイドのロベリン(Lobeline)が含まれます。 ロベリンはかつて医薬品として使用されましたが、 頭痛、 嘔吐、 下痢、 呼吸困難、 心臓麻痺を引きおこして死亡に至るなど毒性が強いため、 現在は使用されていません。 観賞用として栽培されることもあり、 注意が必要です。

  • 花柄を折ると、 赤い汁が出てくる。 有毒。
    写真 / 2023.08.06 長野県原村 I.Watanabe

執筆協力 : 渡邉勲、 田中ひとみ