印西の水田稲作の歴史は2000年以上前にまでさかのぼる。 しかし、 「ヤツ」と呼ばれる細長い谷地形では、 大きな河川から水を引くことができず、 雨水や湧水に頼らざるを得なかった。 そのため、 十分な灌漑用水を確保するために、 村人たちは水を「溜め池」と呼ばれる小さな池に集めた。 さらに、 水不足への不安から、 池の島に弁財天などの水神を祀り、 その加護を願った。 このような水神を祀る溜め池は、 印西各地をはじめ、 南関東一帯に数多く見られる。 なかでも最も有名なのが、 上野の不忍池である。
弁財天は、 「銭洗い」や「七福神」の一柱として知られ、 金運のご利益で有名である。 また、 芸能や音楽の守護神としても広く信仰されている。 しかし、 里山においては、 溜め池を司る水神としての役割が特に重要である。 溜め池の弁財天は、 一般に長い髪と冠を身に着けた女性の姿で表され、 琵琶を奏でる姿で描かれることが多い。
ここにある小さな池は、 自然にできたものではありません。 その昔、 村人たちが田んぼに必要な水を確保するために掘ったため池です。 谷の裾から湧き出る水をこの池にため、 そこから水路を通して下流の田んぼへと送り出していました。 池の中には小さな島が残されており、 その上には社が建てられています。 そこには、 水をつかさどる神として知られる弁財天が祀られています。 人々は古代より、 弁財天を、 命の水を水神様として敬い、 大切にしてきました。
水神様と溜め池
弁財天と市杵島姫命
弁財天は、 古代インドの河川の女神が仏教に取り入れられ、 中国や朝鮮半島を経て日本へ伝わったと考えられている。 しかし、 仏教由来の神格でありながら、 社に注連縄を張り、 塩や酒を供えるなど、 神道の神として祀られる場合も少なくない。 これは、 日本独特の「神仏習合」の思想によるものであり、 弁財天が同じく水を司る宗像三女神の一柱である 市杵島姫命 と同一視されてきたためである。
溜め池と生物多様性
現在では、 谷津の水田に供給される水は地下水や印旛沼などからポンプでくみ上げられており、 溜め池は本来の灌漑機能をほとんど失っている。 しかし、 古くから地域の人々に親しまれてきた水神を祀る池は、 現在も大切に守られている。
また、 溜め池はトンボ類をはじめとする水生昆虫やカエル、 ヘビ、 水鳥など、 多様な生物を育む豊かな水辺環境となっている。 ここの一押しのスペシャルティは、 水神の社にとまり、 魚やカエルを狙うカワセミである。
