手賀沼自然ふれあい緑道

ヤマボウシ

咲き始めの花が山法師のよう

この木を 親友 に登録

マイページの樹木帳に親友マーク が付きます。

特徴

咲き始めの花が頭巾をかぶった「山法師」のようなのでこの名前がついたと言われています。 満開の時には横に長く伸びた枝に白い花が沢山上を向いて咲きます。
秋にみのる赤い実はマンゴーのような味で美味しいです。

以下の情報は、 関東地方を基準にしています。 エリアによって1ヶ月くらいの差があります。

樹形

高さ5~15m。 植えられたものは、 剪定されなくても自然ときれいにまとまった樹形になります。

  • 公園内に植えられた様子
    写真 / MayaN

  • 森に生きるヤマボウシ。 自然の森でも多く見られる。
    写真 / MayaN

  • 街中にも植えられることもある
    写真 / MayaN

対生(枝の同じ場所から2枚ずつつくこと)です。
枝先に集まって付きます。 丸みのある楕円形で、 先は鋭く尖り、 縁は波打ちます。

  • 側脈が平行した独特の葉。 ミズキの仲間に共通する。
    写真 / MayaN

  • 葉の裏
    写真 / MayaN

  • 葉の裏の拡大。 脈の付け根(脈腋)に褐色の毛が生える。
    写真 / MayaN

  • 上から見たところ。 花も葉も水平に広がる。
    写真 / MayaN

初夏に葉が出た後に花が咲きます。 花びらに見えるのは総苞片(そうほうへん)といい葉が変形したものです。 中心にある塊が、 じつは本当の花。 20~30個集まった花です。
ハナミズキとよく似た花ですが、 花の時期が1か月ほど遅く、 同時期に見られることはないです。 (気候変動により、 近年は花の咲く時期の変動が大きく、 花の時期が重なる可能性があります。 )

  • ハンカチを広げたような花が上向きに咲く
    写真 / MasakoT

  • 咲いていく花。 この様子が山法師に似ているということで名前がついた
    写真 / MayaN

  • 中心部は、 小さな花が集まって咲く
    写真 / 庭木図鑑植木ペディア

  • 枝が横に長くのび、 そこに沢山の白い花が上をむいて一度に咲く。
    写真 / MayaN

  • ハナミズキと花の比較
    写真 / MayaN・MasakoT

  • 園芸品種にはピンク色の花もある
    写真 / MayaN

果実は赤い球形です。 中には核(種が硬い殻につつまれたもの)が1~5個入っています。
食べることができ、 甘味が強く果実酒などにも向いています。

  • 果実は赤く球形です。 果実は集合果で、 複数の花に対して、 一つの実がなるという面白い性質。
    写真 / MasakoT

  • 果実の中は空洞で核(種が硬い殻につつまれたもの)が5~6個入っている
    写真 / MayaN

  • 果実の中に入っていた核(種が硬い殻につつまれたもの)
    写真 / MayaN

  • ハナミズキの実と比較
    写真 / MasakoT

  • 沢山実る
    写真 / MayaN

幹・枝

赤みがかった濃い茶色。 老木では不規則にはがれ、 まだら模様になります。
枝には皮目(ひもく、 樹皮の割れ目)が多く見られます。

  • 成長した木の幹は赤みがかったまだら模様
    写真 / MayaN

  • 若い木の樹皮
    写真 / MayaN

冬芽・葉痕

葉芽は、 すっととがっています。 花芽は、 下の方がぷっくりしたしずく型です。

  • 葉芽。 濃い茶色の毛が密生している2個の芽鱗(がりん)に包まれている
    写真 / MasakoT

  • 花芽は、 下の方がぷっくりしたしずく型
    写真 / MasakoT

人との関わり

・ヤマボウシは雲仙温泉の初夏の風物詩であり、 九千部岳(くせんだけ)や妙見岳(みょうけんだけ)のヤマボウシの群落は雪が降ったように山を彩ります。
・実がクワの実と似ていることからヤマボウシのことを「ヤマグワ」と呼ぶ地方も多くあります。

  • クワとヤマボウシ種類は全く違うが実は似ている。
    写真 / MasakoT・MayaN

名前の由来

「山法師」は本来延暦寺の僧兵を意味します。
花(花序)を僧兵の頭に、 花弁状の総苞片を僧兵の白い頭巾に見立てたためにこの名がつけれたとされます。
学名のkousaは、 ヤマボウシの箱根地方の方言「クサ」にから来たと言われています。

  • 山法師。 花のイメージが山法師に似ているということで名前がついた。

  • 咲き始めの花のイメージは山法師に似ているということで名前がついた
    写真 / MayaN

関わりが深い生き物

白く大きな総苞片は、 虫に花がここにあることを知らせる広告塔であり、 着地の下手な甲虫たちのためのヘリポートでもあります。 ハナムグリなどが蜜や花粉を食べます。
甘い実にはスズメバチ、 チョウ、 甲虫・・・などがやって来ます。 ヒヨドリや、 哺乳類のサルやタヌキもこの実が大好きです。

手賀沼自然ふれあい緑道 基本情報