ソシンロウバイ

真冬の風景を明るく照らす花

特徴

黄色い花は冬枯れの風景を明るくします。 甘い香りが強く、 この香りで数少ない虫を招きます。
ロウバイよりも花が大きく、 花(花被片)の内側が黄色であるのが特徴です。

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以下の情報は、 関東地方を基準にしています。 エリアによって1ヶ月くらいの差があります。

樹形

落葉低木樹であり、 人よりやや高いくらいの高さ(2~5m)になります。

  • 冬の姿。 花が咲くと冬枯れの風景の中で明るくかがやき、 良い香りを放つ。
    写真 / 2022.1.29 千葉県松戸21世紀の森と広場 MayaN

  • 夏、 葉の茂る様子
    写真 / 2020.8.2 千葉市泉自然公園 MayaN

  • 秋の黄葉は、 真っ黄色で目をひく
    写真 / 2021.12.15 千葉県松戸21世紀の森と広場 MayaN

表面はざらざらで触ると紙を触っているような独特な触り心地です。
対生(茎に2枚ずつ向かい合って葉が付く)です。
葉は卵形または長楕円形をしています。 先端は尖り、 鋸歯(葉の縁のギザギザ)はありません。

  • 表面はざらついている
    写真 / 2020.10.4 千葉市泉自然公園 MayaN

  • 先端は尖りふちにギザギザはない
    写真 / 2020.10.4 千葉市泉自然公園 MayaN

1~2月頃に、 葉よりも先に、 香りのある黄色い花をつけます。
ロウバイよりもやや大きく、 花の中央部まで黄色いのが特徴です。
(ロウバイは、 花の中央部が暗褐色になります。 )

  • 1~2月頃に香りのある黄色い花をつける。
    写真 / 2022.1.28 千葉市泉自然公園 MasakoT

  • 咲き始めの花(右)と時間のたった花(左)。 時間がたつと雄しべは閉じて中心に集まる。
    写真 / 2022.1.28 千葉市泉自然公園 MasakoT

  • 花びらが半透明で、 光が差すとやわらかく輝く。
    写真 / 2021.1.21 千葉県松戸21世紀森と広場 MayaN

  • ソシンロウバイとロウバイの花。
    花(花被片)の内側がソシンロウバイは黄色です。
    写真 / 千葉市泉自然公園 MayaN・MasakoT

実(偽果)は、 木のように固く、 表面は細かい毛が生えていてビロードです。 中にはゴキブリの卵そっくりの種(そう果)が入っています。

  • ビロードのような質感の実(偽果)。 先端には雌しべの痕が残る
    写真 / 2020.6.2 千葉市泉自然公園 MayaN

  • 実は長い間木に残り、 からからに乾いた状態になる。
    写真 / 2022.1.28 千葉市泉自然公園 MasajiT

  • 実の中には5~20個のかたい種(そう果)が入っている。 これがゴキブリが産む卵鞘(らんしょう)(卵が複数入っている堅いさや状のもの)にそっくり!
    写真 / 2021.12.20 千葉市泉自然公園 MayaN

幹・枝

灰褐色の幹で小さな皮目(ひもく)が縦に断続的に並んでいます。

  • 皮目(ひもく、 樹皮にあいた穴)が目立つ
    写真 / 2021.12.20 千葉市泉自然公園 MayaN

  • 灰褐色の幹
    写真 / 2022.1.3 千葉市昭和の森公園 MayaN

  • 小さな皮目(ひもく)が縦に断続的に並んでいる
    写真 / 2022.1.21 千葉県松戸21世紀森と広場 MayaN

冬芽・葉痕

対生(茎に2枚ずつ向かい合って葉が付く)です。 卵形をしています。
花芽はほぼ球形に近く、 どちらの芽にも毛が生えています。

  • 2個セットになった頂芽(枝の先端にある冬芽)。 毛が生えている。
    写真 / 2021.12.20 千葉市泉自然公園 MasakoT

  • 成長を始めた冬芽。 先が伸びてきた。
    写真 / 2021.2.18 千葉市青葉の森公園 MasakoT

名前の由来

「ロウバイ」は、 花びらが「蝋細工の梅」のようであるためにこの名になったと言われています。
また、 ソシンは「素芯」と書き、 園芸では「花の芯まで同じ色であること」を指します。

性格

ロウバイの品種なので、 見かけはロウバイより洗練されています。 もともとは太古の時代に生まれた樹木なので、 実の形など原始的な雰囲気です。 長く生き残ってきただけあって、 どんな場所でも割と順応してなかなかしぶとく頑張ります。

  • 不思議な形の実
    写真 / 2013.4.18 minaei

体験・遊び

枝を切って水につけると樹液が出ます。 でも明るい場所では見えません。 薄暗い場所で、 UVライトなどの紫外線の多い光を当てると見ることができます。 枝の樹液で紙に文字を書いてUVライトを当てると、 光る文字になります。 この樹液が何かはわかっていません。
紙は蛍光剤が入っていない紙を使いましょう。 再生紙は蛍光剤が入っていることが多いので、 紙が光って文字が目立ちません。
トネリコの体験・遊び参照

  • UVライトで照らし、 水につけると青く光る樹液が見える
    写真 / 2022.2.9 minaei

  • 少し薄い感じはするが、 書くことはできる
    写真 / 2022.2.9 minaei

関わりが深い生き物

花の香りに誘われて、 ハエ、 ヒラタアブ、 カスミカメムシなど成虫で冬を越す虫たちがやって来ます。
穏やかで暖かい日、 花にどんな虫がやって来るのか観察してみましょう。

  • ケブカカスミカメが花に群がる。
    写真 / 2022.2.27 千葉市若葉区 MasakoT

  • 花に潜りこむケブカカスミカメ。
    写真 / 2022.2.27 千葉市若葉区 MasakoT

  • ツマグロキンバエの体には花粉がついている。
    写真 / 2024.1.22 千葉県松戸市 MasakoT

  • 真冬でも元気なハエがよくやって来る。
    写真 / 2024.1.22 千葉県松戸市 MasakoT

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