緑化推進拠点(千葉)

オオムラサキツツジ

長崎の平戸で門外不出の名花だった

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特徴

オオムラサキとも呼ばれます。
長崎県の旧平戸藩の武家屋敷で、 400年以上も門外不出の花として育てられてきたツツジの品種群をヒラドツツジと呼びます。 オオムラサキは、 その中で特に優れた品種とされているものの一つです。 1950年代以降、 その花の美しさと育てやすさから、 全国で植えられるようになりました。

以下の情報は、 関東地方を基準にしています。 エリアによって1ヶ月くらいの差があります。

樹形

庭や公園、 街で低木として沢山植えられています。

  • 公園や宅地の垣根にも植えられる
    写真 / htanaka

  • 街路樹としてよく植えられる
    写真 / MayaN

  • 四角く剪定されても弱ることもなく花を咲かせる
    写真 / MayaN

5~11cm。 葉の両面や枝にも毛が生えています。 洋服に貼り付けると、 貼りついて落ちません。

  • 葉のおもて。 毛がたくさん生えている。
    写真 / MayaN

  • 葉の裏にも毛がたくさん生えている。
    写真 / MayaN

大きな赤紫色の花が木全体に咲きます。 筒状の花びらは5つに裂けています。 良く見ると花びらには模様があります。 これは、 虫に受粉を手伝ってもらうための蜜のある場所を教えるための目印です。 赤い色は特にアゲハチョウなどの大型の蝶を引き付けるためと考えられます。

  • 沢山の花が一度に咲く。 花には虫を呼ぶための赤い印がついている。
    写真 / MayaN

  • 花をよく見ると花びら上部に模様がある。 これは虫を呼ぶための目印。

  • 雄しべの先をつつくと花粉の塊が糸でつながって出てくる。 これは蜜をすいにやってきた虫にまとめて花粉を運んでもらうため。
    写真 / MasakoT

  • 花を包んでいる苞はベトベトしていて、 よく虫が捕まっている
    写真 / MasakoT

あまり実は見られません。
実はなりにくいのですが、 枝を地面にさすだけ(挿し木)で簡単に新しい木を育てることができます。

  • 時々実がなっているのをみかける
    写真 / MayaN

幹・枝

若い枝には、 茶色い毛がたくさん生えています。

  • 若い枝は毛だらけ
    写真 / MayaN

冬芽・葉痕

春になると、 葉の両サイドが外巻きになってほっそりと伸びてきます。 枝先より下にも、 万が一に備えて小さな小さな芽がひかえています。 葉痕の維管束痕は1つです。

  • 外巻きになって伸びてくる葉
    写真 / Tamacha

  • 毛がとても多い
    写真 / Tamacha

  • 枝先より下のかわいい葉痕
    写真 / Tamacha

人との関わり

【400年以上門外不出だった品種群】
長崎県の旧平戸藩のの武家屋敷で400年以上の門外不出の花として育てられてきたツツジの品種群をヒラドツツジと呼びます。 赤花のケラマツツジ、 紫花のキシツツジやモチツツジが母体になっていると言われています。 その中で特に優れた品種の一つとして選ばれたオオムラサキツツジは、 花の豪華さや育てやすさから1950年代から全国で植えられるようになったのです。

  • オオムラサキのルーツの一つと言われるモチツツジ
    写真 / htanaka

  • オオムラサキのルーツの一つと言われるキシツツジ
    写真 / htanaka

名前の由来

花が大きく赤紫色であることから「オオムラサキ」と呼ばれています。 ツツジの名前の由来は諸説ありますが、 次々花が咲くことから「続き咲き花」→つつじとなったという説があります。

その他の情報

オオムラサキツツジの枝代わり品種(たまたま違う花を咲かせた枝を増やして作られた品種)としてピンク色の花の「曙(あけぼの)」、 白い花の「白妙(しろたえ)」がよく植えられています。

  • オオムラサキツツジの枝変わり品種「曙(あけぼの)」
    写真 / MayaN

  • 「白妙(しろたえ)」が咲くと雪が積もったよう。
    写真 / MayaN

関わりが深い生き物

葉が白っぽくなっていたら、 葉の裏をそっと覗いてみましょう。 ツツジグンバイなど小さな虫たちが隠れています。
ルリチュウレンジはるり色の小さなハチ。 メスが卵を産んでいたり、 幼虫が葉を一生懸命食べている姿を見ることができます。

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