里見公園

カヤ

ゆっくり成長する長生きの木

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特徴

漢字で「榧」と書きます。 カヤはとても長生きな木なのですが、 成長はとても遅く、 直径1m以上になるのに300年以上の歳月を必要とすると言われています。
カヤの種からは食用の油がとれ、 葉は燃やして蚊遣り(蚊をよける)に使われました。 人々の生活に役立つ木だったため農家の庭によく植えられました。

以下の情報は、 関東地方を基準にしています。 エリアによって1ヶ月くらいの差があります。

樹形

自然の山地に生えます。 また農家や寺の庭先に良く植えられてきました。
成長は非常にゆっくりで、 直径1mの木も樹齢300年と言われます。

  • 沢渡の榧。 直径約1m。 推定樹齢450~500年。 伊達藩時代に距離の測定に使うために植えられたと言われている。
    写真 / YoshiharuT

  • 集落のはずれのカヤ
    写真 / MayaN

  • お寺に植栽されて綺麗に剪定されているカヤ
    写真 / MasakoT

葉は固くて先が鋭くとがっており、 握ると痛いです。
よく似たイヌガヤの葉は、 柔らかく握っても痛くないので見分けがつきます。
葉の裏には2本の白い気孔線が目立ちます。

  • 固く先が鋭くとがっているため握ると痛い葉
    写真 / MayaN

  • 葉の裏には2本の白い気孔線が目立つ
    写真 / MasakoT

雄花と雌花が別々の木に咲きます(まれに同じ木に両方咲くこともあります)。

  • 雄花は沢山つくのは目立つ。
    写真 / 庭木図鑑植木ペディア

  • 雄花の蕾
    写真 / 東京都文京区

実は1年半かかって実ります。 完全に熟しても緑色です。
落ちると割れて中からアーモンドのような種子が出てきます。 この種子は、 少しヤニ臭いですが生でも食べられます。 炒ると香ばしくてほろ苦く独特の味わいです。
種からとった油は香ばしくおいしいです。

  • 緑色の実が1~3個ずつ枝にくっつくように実る。
    写真 / MayaN

  • 実は緑のうちに落下する
    写真 / EijiI

  • 落ちた実は、 緑の皮が裂け、 中から茶色い種が出てくる。
    写真 / YoshiharuT

  • 花が終って半年たった種。
    まだ小さい。 あと1年で成熟する。
    写真 / MayaN

幹・枝

樹皮は細かく裂けます。

  • 樹皮は細い短冊状に裂ける
    写真 / MayaN

  • 老いていくと溝が深まる
    写真 / MayaN

冬芽・葉痕

枝先に3個、 お互い直角につきます。

  • 写真 / MasakoT

人との関わり

カヤの種からは良質な油がとれ、 食用にされてきました。
カヤの材は、 固さが程よく、 入手が難しいということで、 高級品とされます。 碁盤や将棋盤にも使われますが大変高価です。

  • カヤの種を割ったところ。 皮を除いた部分を絞って油がとれる
    写真 / MayaN

名前の由来

葉を燃やして、 蚊よけにしたことから蚊遣(かやり)と呼ばれ、 それがカヤになったといわれています。

その他の情報

カヤの材は、 固さが程よく美しいため、 奈良時代後期から平安時代前期に盛んだった一木造(いちぼくづくり、 一本の木から仏像を彫り出す技法)で仏像をつくるのに使われました。
成長が非常にゆっくりなカヤの大木の多くは、 その時代に失われてしまったと考えられます。

関わりが深い生き物

カヤの実をヤマガラが運んでいくことがあります。 どこかに埋めておくのでしょう。

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