千葉市都市緑化植物園

キハダ

鮮やかな黄色を内にもつ木

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特徴

樹皮の内側の皮が鮮やかな黄色で「黄柏(おうぱく)」といわれ胃腸薬として使用されています。 また外用薬として捻挫や打ち身にも効果があるとされています。

以下の情報は、 関東地方を基準にしています。 エリアによって1ヶ月くらいの差があります。

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見頃

高さ

高木 (10~30m)

花の性別

雌雄異株

分布

日本(北海道、 本州 : 東北地方・中部地方北部・近畿地方以西、 四国、 九州) 朝鮮半島、 中国(北部、 東北)、 アルーム

生息地

山地の沢沿いの林内

分布

日本(北海道、 本州 : 東北地方・中部地方北部・近畿地方以西、 四国、 九州) 朝鮮半島、 中国(北部、 東北)、 アルーム

生息地

山地の沢沿いの林内

学名

Phellodendron amurense Rupr. var. amurense

樹形

高さ10~15mになります。 大きなものは25m程にもなるといわれています。

  • 沢沿いの林内で大きくなる木
    写真 / MayaN

  • 奇数羽状複葉の葉を持ち、 少々樹形は暴れ気味になる
    写真 / YukiSano

対生で、 枝に対局で二枚の葉がつき先端のみ一枚の葉がつく奇数羽状複葉です。
葉をちぎるとミカン臭があります。

  • 長さ20㎝程の奇数羽状複葉。 小葉は円形から広いくさび型、 先端が鋭くとがる
    写真 / MasakoT

  • 細かく鈍いギザギザがあり、 凹んだ部分に油点がある。 小葉の基部はややゆがんだ円形または鈍形
    写真 / MayaN

  • 葉柄や葉軸は無毛か上面に短毛がある
    写真 / MayaN

  • 裏面は無毛か、 主脈の下部に長毛が密生する
    写真 / MayaN

初夏から夏にかけて枝先に小さな黄緑色の花を多数つけます。 雄花と雌花は別々の木に咲きます。

  • 雄花。 5つの花弁を持ち、 外側に毛は無いが内側には白い毛が生える
    写真 / 庭木図鑑植木ペディア

  • 雌花。 柱頭は円盤状
    写真 / 庭木図鑑植木ペディア

直径1㎝程のほぼ球形で秋に黒く熟します。

  • 若い実は緑色
    写真 / MasakoT

  • 中には5㎜程の少しゴツゴツした楕円形の種子が5~6個入っている
    写真 / 庭木図鑑植木ペディア

  • 実を使って作った餅はキハダ餅といわれる
    写真 / 庭木図鑑植木ペディア

幹・枝

若い枝は赤褐色~黄褐色で毛は無くたてに皮目があります。
成長するに連れてコルク質が発達しボコボコで灰黒色~黒褐色になります。

  • 北国で大きく育ったキハダの樹皮
    写真 / YukiSano

  • 成長するに連れてコルク質が発達し、 ボコボコしてくる
    写真 / MayaN

  • 樹皮の内側の皮は鮮やかな黄色で噛むと塩化ベルベリンを含むため甘みのある苦い味がある
    写真 / MayaN

冬芽・葉痕

赤みのある茶色の芽は、 ピエロのお顔の赤い鼻のように見えます。 葉痕は芽をぐるりと囲む形で、 維管束痕は3つです。

  • 枝の幅いっぱいの大きさの葉痕は、 ゆかいなピエロのお顔
    写真 / Tamacha

  • 枝が太くなると、 お顔が横長に
    写真 / Tamacha

  • さらに横長に
    写真 / Tamacha

  • 枝先のお顔は背中合わせ
    写真 / MasakoT

  • 細くて若い枝の先の芽には帽子のような芽が!
    写真 / Tamacha

人との関わり

キハダは人々の生活にとって貴重な木でした。
【胃腸薬】
樹皮の内側の皮を黄色いことから黄柏(おうぱく)と言われ塩化ベルベリンを含むため噛むと甘みのある苦みがあります。 胃腸の薬として使われ外用薬としては捻挫や打ち身にも効果があるとされています。 奈良県吉野郡の陀羅尼助(だらにすけ)、 長野県木曽の百草(ひゃくそう)、 山陰の練熊(ねりくま)はキハダのエキスから製造された有名な胃腸薬です。
【防虫剤】
防虫効果もあり写経用紙もこれで染められました。
【染料】
その黄色さから染色にも使われました。 アイヌの人々は黄色を尊び、 神や祈りにかかわるものをキハダで染めていたそうです。
【木工】
材は茶褐色で柔らかく木目がはっきりしているため、 小型の指物(さしもの)に使われます。

  • 樹皮の内側の皮が様々な用途に使われてきた
    写真 / YukiSano

名前の由来

樹皮を削ると黄色い内側の皮が見えるので「黄膚(きはだ)」となったといわれています。 別字の「木膚(きはだ)」は樹皮の色からです。

  • 樹皮の内側の皮の色が名の由来
    写真 / MayaN

関わりが深い生き物

ミヤマカラスアゲハの幼虫が葉を食べます。 キハダの実はエサキモンキツノカメムシの幼虫の好物。 葉の裏でエサキモンキツノカメムシが卵や幼虫を守っている姿を見ることができます。 また、 ヒヨドリやツグミなどの野鳥が実を食べにやって来ます。

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