手賀沼自然ふれあい緑道

ナワシログミ

根粒菌のおかげで海辺もイケイケ

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特徴

秋には白い花が咲き、 初夏に赤い実がなります。 実は美味しそうですが、 強い渋みがあります。 全体に小さなうろこ上の毛が生えていて、 そばかすのように見えます。 根粒菌と共生していて空気中の窒素を利用できるので、 荒れ地でも海辺でもイケイケです。

以下の情報は、 関東地方を基準にしています。 エリアによって1ヶ月くらいの差があります。

樹形

これといった樹形はなく、 光を求めて奔放に枝を伸ばします。 時にはツルのように他の木に覆いかぶさることもあります。 高さ2~3mほどになります。

  • もっさりな樹形だか、 多少整えられている
    写真 / Eijil

  • 好き放題に伸びる枝
    写真 / MayaN

葉に銀色の毛がたくさん生えていて、 特に葉裏はキラキラ。 葉は交互につきます。 常緑のしっかりした葉で、 ふちが波打ちます。 サイズは5-10cm。

  • 常緑の葉。 葉のふちがなみうつ
    写真 / MasakoT

  • 葉裏は銀色の毛が残る
    写真 / MayaN

  • 新葉の表面にある銀色の毛は取れる
    写真 / MayaN

秋に白い花が咲きますが、 じつは花びらはなく、 白いのはガクです。 茶色い点々がそばかすのようです。

  • 白いガクにそばかすのような斑点
    写真 / Eijil

  • 秋に咲く花は香りがよい

  • 花びらに見えるのはガク。 おしべが4本見える
    写真 / minaei

白い粉を散らしたような赤い実です。 食べられるのですが、 お菓子のグミを思って食べるとかなり渋いです。 でもこれがグミ。 グミを柿のようにアルコールで渋抜きをするとグミらしさがなくなり、 改めて渋いのがグミなんだなあと感じます。

  • 赤い実の先に筒状のガクのなごりが残る
    写真 / MayaN

  • ふくらみ始めた実
    写真 / MayaN

  • ガク筒が落ちている実
    写真 / MasakoT

幹・枝

丸い皮目(樹皮の割れ目)が多い枝は2種類あります。 ぐーんと一気に伸びる枝と、 トゲのような短枝。 トゲに見えて先端に葉が出ているでしょう。 枝と棘を両立しているのです。

  • ぐいーんと伸びる枝にはたくさん短枝(トゲ)がある
    写真 / MayaN

  • トゲの先端に葉が出てるのがあるかな?
    写真 / MayaN

  • 短枝から出る葉
    写真 / minaei

  • 枝の先端もとがる
    写真 / Eijil

冬芽・葉痕

グミの仲間は落葉樹が多いですが、 ナワシログミは常緑樹です。 常緑なので特に冬を越すためでなく不定期で見られる芽です。

  • そばかすのような斑点のある芽
    写真 / MasakoT

  • 常緑の木

人との関わり

どこでも丈夫に育つことから、 砂防などの植栽に利用されます。 実は渋いですが、 昔の子どものおやつだったと思われます。

  • 食べられる実
    写真 / MayaN

名前の由来

苗代(稲の苗)を育てる春に実がなることから名前がつきました。 グミはグイ(トゲのある)ミ(実)という説があります。 お菓子のグミとは関係ありません。

性格

根は根粒菌と共生していて、 協力体制があるので荒れ地でも海辺でもどこでも強気に繁茂します。 育てる場合は「まあまあ」と抑える手間が必要かも。

体験・遊び

新葉は全体が銀色ですが、 次第に表面は毛が取れていきます。 やさしく爪で葉をスクラッチすると、 下からつやつやの緑が見えてきます。

  • 葉表の毛をスクラッチ!
    写真 / MayaN

  • 下からつやつやの緑が見えてきます
    写真 / MayaN

関わりが深い生き物

下向きに咲く花には小さなハチなどがやって来ます。
ヒヨドリなどが美味しい実を食べにきます。

執筆協力 : 岩谷美苗

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