緑化推進拠点(千葉)

ヒュウガミズキ

早春の林をポッと明るく照らす

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特徴

早春に咲く薄黄色の花は、 冬枯れの景色に明るい春の光をもたらしてくれます。 元々、 日本海側を中心とした日本の限られた地域に生える木ですが、 今では公園や庭木として全国に植えられています。

以下の情報は、 関東地方を基準にしています。 エリアによって1ヶ月くらいの差があります。

樹形

高さ1~2m。 枝をたくさん出します。

  • 春に小さな花をたくさん付けて黄色い樹冠になる
    写真 / EijiI

  • 細い枝をたくさん出して株立ち状になる
    写真 / MayaN

  • 枝が細いので春の夕方に遠くから見ると、 枝が見えにくくなって花は宙に浮いているように見える。
    写真 / MayaN

葉脈の目立つ卵形の葉っぱです。 大きさは2~3cmで水平に、 交互にひらきます。
葉の付け根はくぼんでハート形に見えることもありますよ。

  • 鋸歯はとげとげしている
    写真 / MayaN

  • 葉柄は長め。 葉裏の脈上には毛がある
    写真 / MayaN

  • 新芽は赤みがかっている
    写真 / MasakoT

  • 葉脈で表面がギザギザしている
    写真 / MasakoT

  • 黄葉はとても美しい
    写真 / 庭木図鑑植木ペディア

3~4月に小さくて黄色い花が咲きます。 一つの花の房をよく見ると2~3個の花が集まって付いています。

  • 1~2cmの花が縦長に集まって咲く
    写真 / S.Ikeda

  • 葉が出る前に満開になる
    写真 / S.Ikeda

  • 雄蕊は花弁より少し短い
    写真 / S.Ikeda

  • 花びらは5枚で少し透ける
    写真 / MayaN

  • がくに毛は無い
    写真 / htanaka

  • 咲き始めは花びらやがくが簡単に剥がれそうで心もとない
    写真 / MasakoT

とげとげした丸い実で形が面白いですが、 あまり実りません。

  • 黒色に熟して2つに裂ける。 黒い種が2つ入っている
    写真 / 庭木図鑑植木ペディア

幹・枝

赤みがかった茶色の枝ですが、 生長すると灰色がかった茶色になります。

  • まるい皮目が目立つオシャレな枝
    写真 / MasakoT

  • 灰色がかった茶色の幹
    写真 / 庭木図鑑植木ペディア

冬芽・葉痕

花芽は茶色で卵形のぷっくりした冬芽が付きます。

  • ぷっくりとした花芽
    写真 / minaei

  • 長さ3~6㎜の楕円形
    写真 / MasakoT

  • 芽鱗が外れて花芽が膨らむ
    写真 / MasakoT

名前の由来

日向(ひゅうが)と名前に付いてますが、 日向の国(宮崎県北部)ではほとんど自然には生えていません。 植物学者の牧野博士は小さなトサミズキを意味する「ヒメミズキ」がヒュウガミズキに転じたのではないかと考えていました。

性格

大きくならず、 乾燥にも強く花も楽しめて、 日影でも割とよく育つので、 街路樹の下に植えられます。 卒なく何でもこなす出来る子なのですが、 「無難な植栽」「植えつぶしにちょうどいい」と都合よく植えられることも。 でも、 やっぱり日当たりが大好きみたいで、 光が当たる場所の方が花つきが良いです。

そんなヒュウガミズキですが、 電柱の支線のカバーから咲いている木を見かけました。 たぶん、 たまたま枝がカバーに入って「え?なんでこんなに暗いの?やばいじゃん!」とあせって上へのびてカバーから顔を出したのだと思います。 たまにはこういう木も大事に育ててもらえると良いですね。

  • 黄色いカバーの中から出ているヒュウガミズキ
    写真 / minaei

  • カバーからでもたくましく咲いているヒュウガミズキ
    写真 / minaei

体験・遊び

新しい葉が出てひらく様子は、 まるで扇子のよう。 それとも、 プリーツスカートがふんわり広がる感じ?開いた葉はギザギザポテチにそっくりなので、 観察してみましょう。
若い実もディズニー映画に出てくる一つ目や三つ目のキャラにそっくりです!

  • 葉はギザギザポテチに似ている
    写真 / minaei

  • 開いた葉
    写真 / minaei

  • 春の新葉。 ここから広がっていく
    写真 / minaei

関わりが深い生き物

早春に咲く花にはミツバチやハナアブなどがやって来ます。

執筆協力 : 岩谷美苗

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