サンシュユ

春を一番に知らせる黄金色の花

特徴

春に明るい黄色い花、 秋に透けるような美しい赤い実をつけます。 そこからハルコガネバナ、 アキサンゴとも呼ばれます。

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以下の情報は、 関東地方を基準にしています。 エリアによって1ヶ月くらいの差があります。

樹形

生長がやや早く、 枝が上へ長く伸びることが多いです。
日当たりよい場所なら、 ばんばん枝を出して大きくなろうとしますが、 大木にはなりません。

  • ホウキのような樹形の木
    写真 / 2021.2.28 千葉市昭和の森公園 MayaN

  • 夏の姿
    写真 / 2021.7.28 千葉市花見川区 MayaN

  • 勢いよくまっすぐ伸びる枝
    途中で切られて伸びて…を繰り返し、 独特の樹形となる。
    写真 / 2023.1.26 埼玉県狭山市 minaei

葉は枝先に集まってつきます。 縁に鋸歯(ギザギザ)がありません。
葉裏の葉脈の付け根に茶色い毛が生えています。

  • 葉は対生。 側脈(中央脈 (主脈) から側方に出る葉脈)が湾曲しながら先端に伸びる。
    写真 / 2020.8.16 埼玉県狭山市 minaei

  • 葉脈の周りに茶色い毛があり、 私(岩谷)は脇毛と呼んでいます。
    写真 / 2005.5.31 東京都東村山市 minaei

  • 葉脈の茶色い毛が脇毛のよう。 。
    写真 / 2020.8.16 埼玉県狭山市 minaei

  • 秋の黄葉
    写真 / 2013.12.3 東京都東村山市 minaei

春に小さな花が集まって咲きます。 葉が出る前に一斉に黄色く咲くので、 とても暖かい雰囲気になります。

  • 葉が出る前に花が咲く。
    写真 /   草木屋

  • 満開の花は、 小さいけれどたくさん咲くので目立つ

  • よく見るとたくさんの小さな花が集まって咲いている。 小花の花びらは4枚あり反り返り、 おしべは4本ある。
    写真 / 2022.3.15 千葉市美浜区 MayaN

  • 青空に黄色い花が美しい
    写真 / 2018.3.25 埼玉県狭山市 minaei

透ける真っ赤な実がきれいです。 美味しそうに見えますが、 渋くて美味しいとはいえないです。
ジャムにするとまあまあなお味です。
漢方としても利用されます。

  • 透ける赤い実。 美味しそうに見えるが、 生のままだと渋い。
    写真 / 2020.11.21 埼玉県狭山市 minaei

  • 若い実
    写真 / 2021.8.21 千葉県松戸市 MasakoT

  • 葉のあるうちから真っ赤に熟す。
    写真 / 2017.10.29 埼玉県狭山市 minaei

  • 真冬になってもまだ木に残っていることもある。 よく見ると実にしわが寄っている。
    写真 / 2023.1.14 千葉市花見川区 MayN

  • サンシュユジャムは、 まあまあのお味。
    写真 / 2018.10.17 埼玉県狭山市 minaei

  • 乾燥した実は漢方に用いられる
    写真 / 2023.2.26 MayaN

幹・枝

幹は樹皮が薄く剥がれます。 枝は上へ長く伸びることが多く、 次第に斜めに傾いていきます。

  • はがれる樹皮
    写真 / 2023.1.26 埼玉県狭山市 minaei

  • まっすぐ上に伸びるひこばえ
    写真 / 2023.1.26 埼玉県狭山市 minaei

冬芽・葉痕

花芽はぷっくり丸く、 葉芽は細くとがります。 短毛のある2枚の芽鱗(冬芽カバー)に包まれます。

  • 丸い花芽。 葉痕にはつり目のお顔がある
    写真 / 2024.1.27 東京都千代田区 Tamacha

  • 枝先の葉芽はツンととがる。 この葉痕は、 怒ったようなお顔
    写真 / 2023.11.25 東京都練馬区 Tamacha

  • 枝先より下の芽は小さめ。 この葉痕は、 静かな表情
    写真 / 2023.11.25 東京都練馬区 Tamacha

  • 開花が近づき、 黄色い蕾をチラ見せ
    写真 / 2023.2.20 千葉市美浜区 MayaN

  • 2枚の芽鱗の中からまたカバーが2枚。 4枚組でパッカーン
    写真 / 2024.1.27 東京都千代田区 Tamacha

人との関わり

中国などでは薬用植物として利用されます。 江戸時代に薬用植物として日本に持ち込まれましたが、 現在日本では、 主に春の花を楽しむために庭木として利用されています。

名前の由来

中国名「山茱萸」の音読みがサンシュユの由来となりました。

性格

サンシュユは、 春の暖かさや秋の実の美しさで優しい癒し系のイメージを持たれます。 でも一緒に暮らす(庭に植える)とがんがん枝を出して、 「こんな木だったの?」とギャップに驚くことになります。
枝は上へ上へと伸びがちで、 ガツガツ上昇志向の木です。 伐採されてもひこばえ(新しい枝)を出す打たれ強さを持っています。

  • 伐採されても上むきに沢山の枝を出す
    写真 / 神奈川県津久井城山公園 MayaN

体験・遊び

サンシュユの枝にはヨーグルト作りに適した植物性乳酸菌がついており、 牛乳にサンシュユの枝を入れて発酵させるとヨーグルトを作ることができます。
ただし発酵は簡単ではなく、 筆者(岩谷)は何度かやってやっと成功しました。 そして残念ながら味はあまりおいしいものではありませんでした。
※自作した場合雑菌が入りやすいので、 食用となるヨーグルトができるとは限りません。

  • サンシュユの枝
    写真 / 2017.3.31 埼玉県狭山市 minaei

  • 殺菌した牛乳に枝を入れて発酵させる
    写真 / 2017.10.29 埼玉県狭山市 minaei

  • どろっとしたものを茶こしでこす
    写真 / 2017.10.29 埼玉県狭山市 minaei

  • こしたものに新しい牛乳を加え発酵
    写真 / 2017.10.29 埼玉県狭山市 minaei

  • 完成したが、 味が・・・まずい・・・
    写真 / 2017.10.29 埼玉県狭山市 minaei

関わりが深い生き物

早春に咲く花には、 成虫で越冬したハナアブの仲間などがやって来ます。
ヒヨドリ、 オナガ、 メジロなどが実をついばみます。

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執筆協力 : 岩谷美苗