ハルニレ

春に花が咲く楡(にれ)

特徴

とても大きくなる木です。 春に花が咲くニレの木ということでハルニレと呼ばれます。
日本でニレというと、 一般的にハルニレのことを指し、 英名エルムの名でも知られています。
寒さに強く、 北海道や高原に多く生えています。
よく似た花と実を秋につける「アキニレ」という木もあり、 自然のものは西日本に分布します。
  
イラスト提供 : 平田美紗子(林野庁 北海道森林管理局)

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以下の情報は、 関東地方を基準にしています。 エリアによって1ヶ月くらいの差があります。

樹形

高さ30m程まで大きくなります。 四方八方に枝を伸ばして、 ほぼ円形の樹形になりやすいです。
春から秋は少し大き目な葉を付けてこんもりした樹形になります。
老木は雄大な枝ぶりを見せてくれます。

  • 北の大地に大きく育つ
    写真 / 2024.2.28 北海道 平田美紗子

  • こんもりした樹形になる
    写真 / イラスト 平田美紗子

10~20対の葉脈が平行に並ぶ葉っぱです。 やや厚くてざらつき、 裏面に毛が生えていて白っぽくみえます。 表面には少しあるか、 全く無い葉もあります。

  • 左右非対称で互生の葉っぱ
    写真 / イラスト 平田美紗子

  • 紅葉した葉
    写真 / イラスト 平田美紗子

  • 茶色くなった葉
    写真 / イラスト 平田美紗子

春、 葉っぱが出る前に赤茶色の花が7~15個集まって咲きます。 ところどころに見える雌しべは白い毛がたくさん生えています。

  • 写真 / イラスト 平田美紗子

初夏、 円形の翼を付けて、 まるで目玉焼きのような実が付きます。 長さ12~15㎜くらいの大きさで、 風にのって遠くに飛んでいきます。

  • ハルニレの実。 熟すと茶色くなり、 風にのって飛んでいく。
    写真 / イラスト 平田美紗子

幹・枝

樹皮は白っぽい灰色で縦に裂けていきます。 時間が経つと、 ささくれ立ってはがれていきます。
若い枝は赤茶色の毛が生えています。

  • 縦に浅い裂け目がある幹肌
    写真 / 2024.2.28 千葉市都市緑化植物園 MayaN

  • のびのびと枝を伸ばす
    写真 / 2024.2.28 北海道 平田美紗子

冬芽・葉痕

黒ずんだ冬芽でこげ茶色をしています。

  • 付け根は柄がない冬芽
    写真 / 2021.2.20 千葉県市川市万葉植物園 MasakoT

  • 先がツンと尖った帽子を被るお顔
    写真 / 2021.2.20 千葉県市川市万葉植物園 MasakoT

  • 花芽は枝の先端に集まってつく。
    写真 / 平田美紗子

人との関わり

材は硬くて重く、 家具などに用いられます。 太鼓の胴や臼、 杵を作る材としても使われます。

  • ハルニレでつくった臼や杵
    写真 / イラスト 平田美紗子

名前の由来

春に花が咲くニレの木という意味に由ります。 英語でエルムとも呼ばれます。

その他の情報

変種として葉に毛がすくないものをツクシニレといいます。 葉が厚く表面に光沢のあるものをテリハニレといいます。 稀に枝が茶色いコルク質によく発達した木があり、 コブニレと呼ばれます。

関わりが深い生き物

葉の表面に黄緑色~赤色の虫こぶができます。 これはアブラムシによるものですが、 似た種類のアブラムシが数種類おり、 虫こぶの形で見分けるのは難しいです。

  • ハルニレハフクロフシ。
    形成者はオカボノクロアブラムシか?
    写真 / 2022.4.30 千葉県市川市 MasakoT

  • 写真 / 2022.4.30 千葉県市川市 MasakoT

  • 写真 / 2022.4.30 千葉県市川市 MasakoT

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