高さ5~6mになる木が多いですが、大きいものは10mくらいになります。

ヤマハゼ
超!格式高い染料がとれる木

ヤマハゼの特徴
天皇陛下が重要な行事の時に着る黄櫨染御袍(こうろぜんのごほう)という衣は、この木の幹の真ん中にある黄色い部分を使って染めます。その色は品の良い赤茶がかった黄色になります。
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以下の情報は、関東地方を基準にしています。エリアによって1ヶ月くらいの差があります。

樹形
葉
長い葉脈と短い葉脈が交互に出やすい点がチャームポイント。葉脈のくいこみでシワっぽく見えます。
茎や葉には毛があり、触るとフカフカしています。(よく似たハゼノキには毛がありません。)
秋の紅葉は燃えるように赤く染まり、とても素敵です。
花
花は緑色で、おばなの付く木とめばなが付く木は別々です。お花は線香花火のようにおしべを勢いよく広げ、花びらが反り返ります。
実
ちょっとつぶれたエンドウ豆ような緑色の実を付けます。割ると白いロウをふくんだ部分がありますが、残念ながらハゼノキと違ってロウソク作りには向きません。実を割る時はかぶれないよう手袋すると安心ですよ。
幹
葉が付くくきや若い枝は赤みがあります。老木になると樹皮は縦長にさけて、はがれることもあります。
冬芽
枝の先に付く冬芽は、ふっさふさの赤茶色の長い毛で被われます。
人との関わり
幹や枝がしなやかなので、昔は弓の材料としていました。
今では寄木細工に使われる木です。
名前の由来
昔から日本に生えていてハゼと呼ばれていましたが、16〜17世紀に中国からロウソクの材料としてハゼノキが持ち込まれ、有名になってしまったので、ハゼノキと区別するためヤマハゼと呼んだことに由来します。
その他の情報
・天皇が即位の礼で着用されていた黄櫨染御袍(こうろぜんのごほう)という衣はヤマハゼの幹の中心の黄色い部分から採れた染料で染められています。
・似た木にはハゼノキ、ウルシ、ヤマウルシ、ヌルデがあります。
性格
ハゼノキほどではないですが、ヤマハゼも寒がりの木です。みんな(他の落葉樹)より早く紅葉し、落葉します。
例えば、南国の冬はそんなに寒くはないのに、現地の人は「寒っ」とダウンを着込むような感じです。冬支度が早いので、「もう?寒がりだなー」と微笑んでしまいます。
ウルシの仲間でかぶれることもあるようですが、かぶれないこともあるようです。かぶれやすい人は注意が必要ですが、葉や枝を切って出る汁がつかなければ、そこまで怖がる必要はないかもしれません。
体験・遊び
木の切り株で切った面の色が黄色い物があれば、それはヤマハゼかハゼノキかヤマウルシか?です。切り株の色を見てみましょう!(太くないと黄色い心材はありません)
細い幹で切り口が黄色い木はナンテンやヒイラギナンテンなどがあります。
関わりが深い生き物
実は脂肪分が多く、いろいろな野鳥の好物です。カラスもよく食べにやって来ます。
ヤマハゼの見られる場所
執筆協力 : 岩谷美苗