高さ6~10mほどになります。 大きなものは15mにもなります。 小さな葉が羽状に付いた葉っぱが枝先に付き、 枝を大きく広げた樹形になります。
ハゼノキ
真っ赤に色づくロウソクの木
特徴
実から取れる油は、 古くから和ろうそくの原料として使われてきた木です。 美しく紅葉する木として庭木でも親しまれてきました。 ウルシの仲間で枝葉をちぎった時に出る白い樹液はかぶれるので要注意です。
日本の自然の林に生えていますが、 ロウを採るために外国から輸入した木が野生化したと考えられています。
以下の情報は、 関東地方を基準にしています。 エリアによって1ヶ月くらいの差があります。
樹形
葉
少しかための細長い葉っぱが羽状に付きます。 羽状の葉っぱは枝の先っぽに集まって、 互生に付きます。
葉をちぎった時に出る白い液はかぶれるので要注意です。
花
5~6月ごろ、 葉っぱの付け根に黄緑色の小さな花をたくさん咲かせます。
雌花と雌花が別々の木に咲きます。
実
9~10月ころになると、 だ円形で1㎝ほどの実が熟して、 うす茶色になります。 和ろうそくになる部分はオレンジ色の種ではなく、 その周りに付いた皮の部分です。
幹・枝
うす茶色で、 樹皮は縦にさけ目が入ります。
白い樹液はかぶれる場合もあるので要注意です。
冬芽・葉痕
枝の先っぽに付く冬芽は大き目で先がとがります。 枝の横に付く冬芽は小さ目で丸いです。
人との関わり
実はロウソクの蝋をとるために、 木材はきれいな黄色で寄木細工などに利用されます。
名前の由来
いろいろな説がありますが、 一説には、 紅葉が美しいことから「うるはし」→「はし」→「はじ」→「ハゼ」→「ハゼノキ」といわれます。
その他の情報
ハゼノキはウルシの仲間の中でも全体的に毛が無く、 葉っぱがよく似ているヤマハゼやヤマウルシと見分けるポイントになります。 よく観察したいところですが、 葉の白い液はかぶれる場合もあるので注意しましょう。
性格
寒さに敏感で、 秋、 10℃以下の日があると、 すぐに「さむっ」っと紅葉します。 他の木より紅葉が早い印象があり、 紅葉しているハゼノキを見ると「そんなに寒いか?」と話しかけたくなります。 鮮やかな紅葉は、 地味な実を鳥に見つけてもらうための目印なのかもしれません。
体験・遊び
紅葉が早いので、 紅葉一番乗りを見つけてみましょう。 紅葉前の気温も合わせて調べると面白いかもしれません。
関わりが深い生き物
小さな花には、 ハナバチなどさまざまな昆虫がやって来ます。
油分がある実を食べに野鳥が集まります。 カラスも大好物です。
見られる場所
執筆協力 : 岩谷美苗