四季の森公園

ニガキ

じゃんけん「グー!」

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特徴

枝を折ってなめると、 と~ってもにがい木で、 名前の由来にもなっていますが、 それよりも見逃せないのは冬芽です。
なんと!じゃんけんの「グー」の形をしています。 ていねいに織りたたまれた葉が、 あたかも指をにぎりしめた手の様に見えるのです!冬の山や公園で、 ぜひ探してみてください。

以下の情報は、 関東地方を基準にしています。 エリアによって1ヶ月くらいの差があります。

樹形

高さ6~8mほどになります。 大きな木だと12m以上になります。 夏は羽状の葉がしげり、 枝が重そうに垂れ下がります。

  • 木々が混み合う山野中に生えるので、 ヒョロッとしやすい
    写真 / MayaN

  • 夏場の枝は垂れ下がり気味
    写真 / MayaN

10枚くらいの小さな葉を羽状にならべて、 全体として一枚の大きな葉を作っています。 ふちには細かいギザギザがあり、 葉の付け根に近い小さな葉は、 小型化したり、 左右対称にならないことがあります。

  • 4~6対の小葉がある奇数羽状複葉。 これで1枚の葉と見なす
    写真 / MayaN

  • 葉の裏は主脈が出っ張る
    写真 / MayaN

  • 複葉が互生に付く
    写真 / MayaN

  • 小葉の長さは4~8cm、 複葉全体は15~25cmになる
    写真 / MayaN

  • 苦くても幼木は可愛い
    写真 / MasakoT

  • 上から見ると複葉が放射状に伸びている
    写真 / htanaka

4~5月、 葉の付け根に黄緑色の小さな可愛い花をたくさん付けます。 め木に付くめばなは1か所あたり7~10個。 お木につくおばなは、 1か所あたり30~50個で、 おばなの方が多く、 きれいに見えます。

  • 雄花。 新葉の展開と共に花が咲く
    写真 / MasakoT

  • たくさん付く雄花は目立つ
    写真 / MasakoT

  • 雌花は地味で控えめ
    写真 / MayaN

  • 雌花。 真ん中に4~5つの小さい子房が付く
    写真 / MayaN

  • 雌花。 花弁は4~5枚。 花柱は1つ
    写真 / MasakoT

9月ごろに緑の実が熟して黒くなります。 とても小さくまばらに付くので、 よく探してみてください。

  • 若い実は緑色
    写真 / MasakoT

  • 大きさは6㎜程度の実
    写真 / MasakoT

  • 小さいので遠目からは見つけにくい
    写真 / S.Ikeda

幹・枝

樹皮は色に幅があり、 茶色がかった灰色や、 紫っぽいこげ茶色などがあります。 若い枝は赤から灰色に変わり、 白い模様が目立ちます。

  • 基本的になめらかな幹肌
    写真 / MakoT

  • 老木は縦にさけ目が入る
    写真 / MayaN

  • 灰色っぽい幹
    写真 / MayaN

  • 枝に目立つ白い皮目
    写真 / MayaN

  • 若い枝には茶色い毛があったり、 なかったりする
    写真 / htanaka

冬芽・葉痕

じゃんけんのグーの形をしています。 正体は、 茶色い毛がもっさりと生えた幼い葉っぱです。

  • グーの形で寒さをしのぐ
    写真 / MasakoT

  • ボクシングのグローブの様にも見える
    写真 / MakoT

  • ちょっといびつなグーもある
    写真 / MakoT

  • 春先には押し出されるように開く
    写真 / MasakoT

  • 葉痕は半円~円形。 肩の部分に托葉痕もある
    写真 / MasakoT

  • 小さいので、 よく見てみて!
    写真 / MasakoT

  • グーを振り上げたポーズ?
    写真 / MayaN

人との関わり

材は黄色がかっているので、 箱根寄木細工などの細工物の材料に使われています。 なめると苦い木ですが、 胃に効くので、 有名な太田胃散の原料としても使われています。
南アメリカのスリナムでは、 ビターカップ(苦いカップ)と呼ばれるニガキ科の木で作ったカップが伝統療法のアイテムとして売られています。

名前の由来

木全体に強い苦味があるためニガキと名付けられました。

その他の情報

九州の大隈半島の辺塚で発見されたヘツカニガキも茎や葉に苦味がある木ですが、 これはアカネ科の木で、 日本にニガキ科の木は、 このニガキの一種類しかありません。

性格

ニガキはあまり目立つ木ではないので、 近くにあっても気が付かないことがあります。 木で味(苦い)が名前になっている木はめずらしく、 ニガキは薬などにもなっており人とのつながりが深い木だと思います。 葉をかじると思ったほど強い苦みではありません。 地味ですが、 味のある木です。

  • 緑地にたたずむニガキ
    写真 / minaei

体験・遊び

冬芽の形は手をニギニギしています。 この冬芽でジャンケン!ジャンケのチョキとパーも探してみましょう。 ニガキだけだと、 ずーっとあいこですが、 春が来たら芽が開いてチョキからパーになるでしょう。

  • にぎにぎ冬芽はグー
    写真 / minaei

  • アワブキの冬芽は優柔不断なパー?チョキ?
    写真 / minaei

  • アオギリの冬芽は肉球のパー?
    写真 / minaei

関わりが深い生き物

苦い木ですが、 このタマバエは苦くてもヘッチャラなのでしょう、 虫こぶの中でニガキを食べて育ちます。 実もとても苦いですが、 サルが食べるとのことです。

  • ニガキハナフクレフシ(タマバエ)の虫こぶ
    写真 / MasakoT

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執筆協力 : 岩谷美苗

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