高さ10~25mくらになります。 大きめの葉っぱを付けるので、 春から秋はモサモサっとボリューム感がありますが、 そのぶん冬は枝がスカスカで何か物足りない感じがする木です。
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特徴
痛そうなトゲトゲの枝や幹が第一印象となる木ですが、 線香花火が思い浮かぶような花や実を付け、 可愛らしい一面もある木です。 北から南まで広い地域で生きていける強い木でもあります。
イラスト提供 : 平田美紗子(林野庁 北海道森林管理局)
以下の情報は、 関東地方を基準にしています。 エリアによって1ヶ月くらいの差があります。
樹形
葉
手のひらの様に大きな切れ込みがある葉っぱです。 よ~く見ると、 葉のふちには細かいギザギザもあります。 葉をちぎると独特な香りがします。
花
7~8月、 枝先に小さな花をたくさん付け、 あたかも線香花火のように見えます。
実
集まって付く実のシルエットは花と同様、 線香花火を連想します。 5㎜ほどの球形で、 秋の終わりに黒く熟します。 冬、 鳥達に食べられた実の中の種は、 鳥のフンと一緒になって遠くに落とされ、 芽吹きます。
幹・枝
若い幹や枝にトゲがあります。 幹のトゲは次第に消えていき、 その代わり樹皮は縦に深くさけて縦長の網目模様を作ります。
冬芽・葉痕
とっても寒い北国でも暮らしていけるだけあって、 冬芽はマイナス70℃まで大丈夫と言われます。
人との関わり
丈夫で加工しやすい木材は、 ケヤキの様な木目で白みが強くテカリもあります。 アイヌの人々は、 トゲトゲの幹や枝を立てかけて魔除けとして使っていました。
名前の由来
針の様なするどいトゲがあり、 キリの様な大きな葉を付ける、 またはキリに似た白い材なのでハリギリと名付けられました。
葉の形から、 天狗の羽団扇(ハウチワ)と呼ばれたり、 センノキ、 ボウダラ、 ヤマギリ等いろいろな別名があります。
性格
日本全土の山地や里に暮らします。 北海道では良い土を示す目印となっていたくらい栄養豊富な土が大好きな「グルメな木」です。 見かけは地味ですが、 日本以外に東シベリアや朝鮮半島、 中国等にも広く分布するので、 それだけ広く「グルメ旅」をしている木なのかもしれません。
体験・遊び
若い葉は食べることが出来ますが、 ややアクが強いので天ぷらがオススメです。 トゲトゲの枝はとり肉の臭みを取るので韓国料理のサムゲタンを美味しくするために使えます。
韓国の方いわく「枝を鍋に入れると全然、 味がちがう!長い枝のまま入れるよ」「サムゲタンのためにハリギリを庭に植えているよ」とのこと。 ぜひ!お試し下さい。
関わりが深い生き物
花にはいろいろな昆虫がやって来ます。
実は鳥に人気があり、 アカゲラ、 コゲラ、 カラス、 メジロなどの好物です。
山で見られるキバネセセリの幼虫が葉を食べます。
ハリギリマイコガという小さな蛾も見られます。
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見られる場所
執筆協力 : 岩谷美苗