高さ10~20mくらいになります。 幹は少しねじれながらも、 おおよそ真っ直ぐに伸びて行きます。
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特徴
花、 葉、 幹いづれも個性豊かな木ですが、 何よりも実のなり方がユニークです。 丸い実が付く柄の部分は熟すと太くなり、 梨の実と似た味がします。
以下の情報は、 関東地方を基準にしています。 エリアによって1ヶ月くらいの差があります。
樹形
葉
葉は互生に付きますが、 右右左左と2枚ずつ付くこともあります。 葉っぱの付け根には、 目立たないですが三角形に突き出たポッチ(腺体)が数個あります。
花
枝の先の方に、 緑ががかった白色のちっちゃな花が集まって付きます。 花びらは、 おしべを両側から包み込み、 やがて反り返ります。
実
丸い実がなります。 秋の初めには黒っぽい茶色に熟し、 柄が太くなり実よりも目立ちます。 柄は梨の実のような味で食べることが出来ます。
幹・枝
縦の割れ目が入り、 あみ目模様を作ります。 枝は紫がかった茶色をしています。
冬芽・葉痕
葉が取れたあとに残る葉痕の上に、 茶色の毛でおおわれた冬芽が付きますが、 冬芽の付かない葉痕が1つ置きにあります。 維管束痕は3つで、 ひょうきんなお顔に見えます。
人との関わり
かつて二日酔いに効く薬用として植えられました。 木目が美しく、 かたい材になるので建材や楽器、 工芸品などに使われます。
名前の由来
いろいろな説ありますが、 中国の懸圃(けんぽ)という神仙の住む山で見られたことから名が付いた等があります。 実の柄が梨の実のような風味であることからナシとつきました。
その他の情報
ケンポナシは葉がかわいても濃い緑色ですが、 本州西部や四国にいるケケポナシは赤茶色になります。
性格
若木の生長はとても早いです。 早く大きくなって日当たりの良い場所を陣取ろうと頑張ります。 林縁だと片方しか光が当たらないのでかたむき、 林内だと上しか光があたらないのでノッポになり、 周りに光をさえぎる物が無ければのびのび育ちます。 実の柄を甘くして種と一緒に食べてもらい、 動物に運んでもらいます。 結構工夫して生きている木です。
体験・遊び
晩秋、 ケンポナシは実を枝ごと落とします。 甘い香りに誘われて動物たちが食べに来ます。 でも、 甘くておいしいのは実ではなく、 実がついている柄!柄をかじるとナシのような、 レーズンのような味わいです。 「落ちてる物を食べてはいけません」とよく言われますが、 ケンポナシの場合は落ちている時こそ食べごろです。
関わりが深い生き物
タヌキが実を食べ、 ため糞にタネが混じっていることがあります。
オオツノカメムシの幼虫はケンポナシで育つことが知られています。
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見られる場所
執筆協力 : 岩谷美苗