サワフタギ

沢に蓋する白い花

特徴

初夏に谷間で白い花をたくさん咲かせる様子が沢に蓋をするようなので沢蓋木と名前につきました。
ルリミノウシコロシという面白い別名もあります。
シロシタホタルガの幼虫がよくいるので、 ぜひ探してください。

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以下の情報は、 関東地方を基準にしています。 エリアによって1ヶ月くらいの差があります。

樹形

高さ2~4mほどになります。 細い枝を多く出し、 樹形は乱れやすいです。 白い花や葉の雰囲気が似ているカマツカやアオハダで見られるような短い枝はありません。

  • 日影でもたくましく枝を出して光が当たる方へと伸びて行く
    写真 / 2022.5.4 茨城県筑波実験植物園 htanaka

  • 乱れやすい樹形なだけに白い花で覆われる初夏はワイルド感が増す⁈
    写真 / 2021.4.28 千葉市若葉区加曾利貝塚公園 MayaN

  • 細い枝をたくさん出してにぎやかな雰囲気の樹形
    写真 / 2023.5.5 栃木県那須高原 MayaN

ちょっと長めの卵形の葉っぱです。
先が短くとがり、 細くてするどいギザギザがあります。
両面とも毛でざらつき、 葉柄も毛が多いです。

  • 両面とも毛ありザラザラする。 カマツカよりも毛が多い
    写真 / 2021.4.21 千葉市若葉区加曾利貝塚公園 MayaN

  • 脈は凹み裏面に出っ張る
    写真 / 2022.5.4 茨城県筑波実験植物園 htanaka

  • 裏面の葉脈の上は特に毛が多い
    写真 / 2022.10.28 千葉市若葉区加曾利貝塚公園 MayaN

  • 新芽の時はよりフサフサの毛をまとっている
    写真 / 2022.3.31 千葉市若葉区加曾利貝塚公園 MasakoT

  • 互生の葉で先はチョンっと短くとがる
    写真 / 2013.6.2 茨城県筑波山広根場 htanaka

初夏、 枝先に小さな花をたくさん咲かせます。 花びらは5枚で1本の雌しべの周りにたくさんの雄しべが付きます。
香りはあまりありません。

  • 直径7㎜くらいの小さな花。 柄には毛がある
    写真 / 2021.4.28 千葉市若葉区 MasakoT

  • 一枝一枝が白い花で覆われる
    写真 / 2022.5.4 茨城県筑波実験植物園 htanaka

  • 一つの柄に30~50個の花が付く
    写真 / 2021.4.28 千葉市若葉区 MasakoT

  • 小っちゃいが、 たくさんの雄しべを伸ばし華やかな印象の花
    写真 / 2021.4.28 千葉市若葉区 MasakoT

  • 今年出た枝の先に花を付ける
    写真 / 2021.4.28 千葉市若葉区加曾利貝塚公園 MayaN

ゆがんだ卵形の小さな実で、 秋に熟して青色になります。

  • 大きさは6㎜ほどで小さい
    写真 / 2015.9.13 茨城県つくば市 htanaka

  • 秋にきれいな藍色に熟す 
    写真 / 2021.10.11 千葉市若葉区 MayaN

  • たくさんつく小さな実は鳥のごちそう
    写真 / 2020.10.24 千葉県柏市 MakoT

  • 良く熟すとシワや窪みが付いて黒っぽくなる
    写真 / 2022.10.28 千葉市若葉区加曾利貝塚公園 MayaN

  • 中の種は白っぽい筋がある
    写真 / 2021.10.11 千葉市若葉区 MayaN

  • 熟す前の実は緑色で目立たない
    写真 / 2022.8.6 栃木県那須町 MayaN

幹・枝

灰色がかった茶色の幹で、 縦に細かく裂けます。
一年目の枝は曲がった毛が生えて目立ちます。  

  • 縦に裂ける樹皮は鱗のよう
    写真 / 2022.1.30 千葉市若葉区 MasakoT

  • 森の中で苔むしって緑がかった幹
    写真 / 2022.5.4 茨城県筑波実験植物園 htanaka

  • もじゃもじゃの毛が生える一年目の枝
    写真 / 2021.4.21 千葉市若葉区加曾利貝塚公園 MayaN

冬芽・葉痕

小さなとんがり帽子の形をした芽です。

  • ニンマリしたお顔は、 やや上向き。
    写真 / 千葉市若葉区 MasakoT

  • ニンマリしているお口は、 はっきり見える。
    写真 / 2023.2.12 東京都練馬区 Tamacha

人との関わり

材質が良く、 器具材や細工物として用いられます。
木の灰は紫根染めの媒染剤として使われます。

名前の由来

あたかも沢を蓋するように生い茂るので「沢蓋木」と名付けられました。
別名ルリミノウシコロシというのは、 この木で牛の鼻輪をつくり、 牛を制御(=殺す)のに使ったからと言われています。
もう一つの名前ニシゴリは「錦織木」の意味で、 木灰を紫根染めに用いることに由ります。

その他の情報

本州の日本海側には葉の表面や花の柄に毛が無いオクノサワフタギという変種が自生しています。

関わりが深い生き物

花には甲虫やハナアブなどが次から次に訪れ賑やかです。
カラフルなシロシタホタルガ(蛾)の幼虫が葉を食べます。

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