21世紀の森と広場

イヌコリヤナギ

背の低くて葉の先が丸っこいヤナギ

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特徴

川沿いなど身近な場所で見かけます。 葉の先が他のヤナギの仲間より丸みがあるのも特徴です。
春に咲く円柱状の花をよ~く見ると、 白、 緑、 黄、 茶、 紫、 黒と立体的にいろいろな色をまとっていて面白いです。 この花は地味に見えてしっかり蜜も出すので虫に大人気。 いろんな虫がやってきます。

みんなの投稿

以下の情報は、 関東地方を基準にしています。 エリアによって1ヶ月くらいの差があります。

樹形

まっすぐ上に伸びる枝をたくさん出して、 株立ちの樹形になります。 高さ2~3mになりますが、 まれに6mに達するものもあります。

細かいギザギザがある、 長いだ円形の葉っぱです。
葉の付け根は柄が無く、 少し枝に抱き着くように付いていることが多いです。

  • だいたいが対生だが互生も混じる。 表も裏も毛は無い
    写真 / MasakoT

  • 葉柄は有っても5㎜程度
    写真 / MasakoT

春、 雄花と雌花が別々の木に咲きます。 花はそれぞれ雄しべと雌しべの集まりで、 長さ2㎝ほどの円柱状になります。
花には花びらはありませんが蜜を出す腺体があり、 虫を呼びます。

  • 赤紫色の雄しべから黄色い花粉が出てくる
    写真 / MasakoT

  • 付け根の雄しべから色が変わり、 少し長くなる
    写真 / MasakoT

  • 雄しべの付け根には黒い苞が付く
    写真 / MasakoT

  • 雄しべの付け根に1個ある腺体から蜜をだし、 虫を呼ぶ
    写真 / MasakoT

  • 雌花は淡い緑色の円柱状で濃い紫色の苞が点々に見える
    写真 / MasakoT

  • 受粉した雌しべは根元がふくらんで綿毛が出てくる
    写真 / MayaN

春の終わりごろ、 雌花が咲いていた木には白い綿毛に包まれた小さな種が付き、 風に吹かれてフワフワと飛んでいきます。

  • 綿毛に包まれた種を柳絮(りゅうじょ)ともいう
    写真 / 庭木図鑑植木ペディア

幹・枝

若い枝は赤味がかったり、 黄色がかった茶色で、 生長するに連れて灰色でなめらかな樹皮になります。  

  • 灰色でなめらかな成木の枝
    写真 / MayaN

  • 黄色がかった茶色の若い枝
    写真 / MayaN

冬芽・葉痕

卵形でつやつやの赤紫色のカバー(芽鱗)に包まれた冬芽が付きます。 春になると中からふさふさした新芽の白い毛がはみ出て来ます。

  • 小さくてきれいな赤紫色の冬芽がやや対生に付く
    写真 / MasakoT

  • 枝先が枯れて、 2個の冬芽が「先っぽ」になる
    写真 / MasakoT

  • 袋状の芽鱗が破けて新芽の白い毛がはみ出して来る
    写真 / MasakoT

  • 芽吹くと赤紫色の芽鱗は落ちる
    写真 / MasakoT

  • 徐々にはがれ落ちる赤紫色の芽鱗
    写真 / MasakoT

人との関わり

水に強くよく殖えるので小川の護岸植栽として使われます。
庭木では、 斑入りの品種の「白露錦」が人気です。

名前の由来

諸説ありますが、 もとはコリヤナギと呼ばれていたこの木が、 衣類や荷物などを入れる行李(こうり)の材料となるコリヤナギとの違いを示すためにイヌコリヤナギと改めて名がつけられたという説があります。

関わりが深い生き物

花には成虫で越冬した小さな虫たちがやって来ます。 葉に食べあとがあれば、 ヤナギルリハムシの幼虫や成虫が見つかるかも?

見られる場所

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