安馬谷里山

ハゼノキ

真っ赤に色づくロウソクの木

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特徴

実から取れる油は、 古くから和ろうそくの原料として使われてきた木です。 美しく紅葉する木として庭木でも親しまれてきました。 ウルシの仲間で枝葉をちぎった時に出る白い樹液はかぶれるので要注意です。
日本の自然の林に生えていますが、 ロウを採るために外国から輸入した木が野生化したと考えられています。

以下の情報は、 関東地方を基準にしています。 エリアによって1ヶ月くらいの差があります。

樹形

高さ6~10mほどになります。 大きなものは15mにもなります。 小さな葉が羽状に付いた葉っぱが枝先に付き、 枝を大きく広げた樹形になります。

  • こんもりと枝を広げ、 秋には紅葉が美しい
    写真 / MasakoT

  • 紅葉が進むとさらにはっきりとした色になっていく
    写真 / MayaN

  • 羽状に付いた細長い葉をたくさん垂らす
    写真 / MayaN

  • 幼木でもしっかりと真っ赤に色づいていく
    写真 / MayaN

  • 冬はつきっぱなしの実と曲線を描く枝が目に付く
    写真 / MayaN

少しかための細長い葉っぱが羽状に付きます。 羽状の葉っぱは枝の先っぽに集まって、 互生に付きます。
葉をちぎった時に出る白い液はかぶれるので要注意です。

  • 葉に毛は無く、 スベスベでやや光沢がある
    写真 / MasakoT

  • 葉軸は赤味を帯びて、 先っぽは細長く伸びる
    写真 / MayaN

  • 縁はギザギザしないが、 幼木の時にギザギザが出来る時がある
    写真 / MayaN

  • 葉裏は白っぽく葉脈の網目が目立つ
    写真 / MayaN

  • 夏に一枚だけ色づく葉っぱ、 まさに「紅一点」
    写真 / MayaN

  • 秋、 根元には赤い落ち葉が積もる
    写真 / MayaN

5~6月ごろ、 葉っぱの付け根に黄緑色の小さな花をたくさん咲かせます。
雌花と雌花が別々の木に咲きます。

  • 小さな花がたくさん咲く
    写真 / MasakoT

  • 枝先、 葉の陰に小さな花をたくさん付ける
    写真 / MayaN

  • 雄花。 雄しべが目立つ
    写真 / MasakoT

  • 雌花。 雌しべが目立ち、 花弁がそり返る
    写真 / MayaN

9~10月ころになると、 だ円形で1㎝ほどの実が熟して、 うす茶色になります。 和ろうそくになる部分はオレンジ色の種ではなく、 その周りに付いた皮の部分です。

  • 実100kgから蝋分10~30㎏が採れるといわれる
    写真 / MayaN

  • 葉っぱが落ちた後も枝に付いている
    写真 / MayaN

  • 実から採ったロウを「木蝋(もくろう)」あるいは「櫨蝋(はぜろう)」という
    写真 / MayaN

  • 熟す前は緑色で、 もじゃもじゃして見える
    写真 / MayaN

  • 実を分解するとオレンジ色の種が出てくる
    写真 / MayaN

幹・枝

うす茶色で、 樹皮は縦にさけ目が入ります。
白い樹液はかぶれる場合もあるので要注意です。

  • 縦にさけ目が入り短冊状に張り付く樹皮
    写真 / MayaN

  • さけ目は深くなる木もある
    写真 / MayaN

  • ざっくり大き目にさける樹皮もある
    写真 / MayaN

冬芽・葉痕

枝の先っぽに付く冬芽は大き目で先がとがります。 枝の横に付く冬芽は小さ目で丸いです。

  • 先っぽに付く冬芽は中華饅頭のようにとがる
    写真 / MasakoT

  • 3~5個の芽鱗(がりん・冬芽をつつんでいる鱗状のもの)に包まれる
    写真 / MakoT

  • 葉っぱが落ちた後にのこる葉痕(ようこん)は三角形で小さな点がいくつもある
    写真 / MakoT

人との関わり

実はロウソクの蝋をとるために、 木材はきれいな黄色で寄木細工などに利用されます。

  • 心材は黄色
    写真 / minaei

名前の由来

いろいろな説がありますが、 一説には、 紅葉が美しいことから「うるはし」→「はし」→「はじ」→「ハゼ」→「ハゼノキ」といわれます。

  • 美しい紅葉が名前の由来になったという説がある
    写真 / MayaN

その他の情報

ハゼノキはウルシの仲間の中でも全体的に毛が無く、 葉っぱがよく似ているヤマハゼやヤマウルシと見分けるポイントになります。 よく観察したいところですが、 葉の白い液はかぶれる場合もあるので注意しましょう。

  • 冬芽の毛の有無でハゼノキとヤマハゼは見分けられる
    写真 / MasakoT

性格

寒さに敏感で、 秋、 10℃以下の日があると、 すぐに「さむっ」っと紅葉します。 他の木より紅葉が早い印象があり、 紅葉しているハゼノキを見ると「そんなに寒いか?」と話しかけたくなります。 鮮やかな紅葉は、 地味な実を鳥に見つけてもらうための目印なのかもしれません。

  • 実の宣伝をしている紅葉
    写真 / minaei

体験・遊び

紅葉が早いので、 紅葉一番乗りを見つけてみましょう。 紅葉前の気温も合わせて調べると面白いかもしれません。

  • 9月末にもう紅葉している葉
    写真 / minaei

関わりが深い生き物

小さな花には、 ハナバチなどさまざまな昆虫がやって来ます。
油分がある実を食べに野鳥が集まります。 カラスも大好物です。

執筆協力 : 岩谷美苗

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