ふつう高さ2~5mになります。 大きいものでは10mを超えます。 枝先に葉が集まって付き、 枝葉に毛がありません。
シキミ
野獣を追い払う木
特徴
昔から神事や仏事に使われてきた日本人になじみの深い木です。 葉っぱの香りを動物が嫌うので、 寺院や墓苑などに植栽されます。 全体が有毒で特に実は猛毒ですが、 乾燥すると裂けた隙間を閉じてタネを弾き飛ばすユニークな八角形の実です。
以下の情報は、 関東地方を基準にしています。 エリアによって1ヶ月くらいの差があります。
樹形
葉
ギザギザが無く光沢がある葉っぱです。 互生に付きますが、 枝先に集まって付くことが多いです。 揉むと甘い芳香があり、 透かすと油点が見えます。
花
早春から晩春にかけて、 葉の付け根に光沢のあるクリーム色の花が咲きます。
実
扁平な八角形の実が秋に熟します。 タネはラグビーボールのような形で可愛らしいですが、 猛毒なので絶対に食べないでください。
幹・枝
暗い褐色の幹肌をしています。 幹や枝も傷が付いたところからは甘い香りがします。
冬芽・葉痕
枝先の冬芽はぷっくりとした水滴型で、 これは葉になります。 葉の付け根から出ている赤みのある小さめなのは花芽です。 葉痕の維管束痕は1つで、 チョボっとしたお口が少しニンマリしています。
人との関わり
仏壇や墓の供花として使われたり、 樹皮や葉は抹香や線香として利用されます。 木材は強くて割れにくいので細工物など様々な用途で使われます。
名前の由来
いろいろな説がありますが、 木の全体が有毒なので「悪しき実」が転じてシキミになったといわれています。
その他の情報
ミヤマシキミは「シキミ」と名が付き、 葉の様子が似ていますが、 ミカンの仲間でシキミの仲間ではありません。 ミカンの仲間なので葉をちぎるとシキミとは違う柑橘系の香りがします。