樹高は高くても6m程度で、 ハクモクレンほど大きくはなりません。 2~4mの木が多く見られます。
庭木としてよく植えられます。
モクレン
太古のスタイルで今を生きる花の大御所
特徴
シモクレン(紫木蓮)とも呼ばれます。
中国原産の大昔からある種類の木で、 公園や庭園で見かけることが出来ます。 春に咲く大きめで華やかな赤紫色の花は、 遠くからでも目立ちます。 秋に熟す実はでこぼこしていてユニークです。
以下の情報は、 関東地方を基準にしています。 エリアによって1ヶ月くらいの差があります。
樹形
葉
葉は交互に並び、 サイズは8~20cmの厚めの葉っぱです。
縁にギザギザはありません。
花
春、 葉より少し早いか、 同時に花が咲きます。 6枚のへら状の花びらは先が丸くなっています。
花の中心にはたくさんのおしべとめしべがついた棒があります。 始めにめしべが開いて、 そのあと閉じて、 つけ根のおしべが開きます。
香りはありますが、 蜜はありません。
実
袋状の実が集まって付きます。 受粉しなかった部分はふくらまないので、 実はでこぼこしています。
熟すと紅色になり、 中からオレンジ色の種が出てきます。
幹・枝
幹は灰白色の樹皮です。 枝には一周まわる托葉の痕があり、 これがモクレンの仲間の木の特徴です。
冬芽・葉痕
大きな花芽は長めの毛に、 小さめな葉芽は短い毛におおわれています。 ハクモクレンよりも先がとがり、 毛が伏しているのですが、 はっきりと見分けることは難しそうです。 葉痕の維管束痕はたくさんあり、 ばらばらと散らばります。
人との関わり
モクレンは中国から平安時代に、 主に薬用の目的で日本に持ち込まれたと言われています。
名前の由来
昔は漢名の「木欄」からモクレンと呼ばれていたとされますが、 その後、 花がハスに似ていることから「木蓮」と表記されるようになったと言われます。
その他の情報
・モクレンの仲間の花は、 雌性先熟(雌しべが熟した後、 雄しべが熟す)で同じ花の中で受粉することを防いでいます。
・モクレンとハクモクレンの交雑種のソコベニハクモクレン(別名 : サラサモクレン)など様々な品種があります。
性格
モクレンの仲間は1億年前ごろに生まれたのではないかと言われています。 モクレンは今に合わせることなく、 はるか昔のスタイルで暮らしています。 そもそもモクレンの仲間は、 地球上で初めて現れた花らしい花だったのかもしれません。 革命的な誕生だったのではないでしょうか?モクレンには花の大御所のような貫録があります。
体験・遊び
花が咲いたら香りを嗅いでみたり、 めしべやおしべがひらく様子を観察をしてみましょう。 花は最初はめしべが開きますが、 交代するようにめしべは閉じ、 おしべが開きます。 花にはどんな生き物がやってくるのかも観察してみましょう。