アケビ

実や新芽、 つるは山の恵み

特徴

山野に生えるつる植物で、 5枚で1組の丸っこい葉っぱが目印です。
パカッと割れる実は優しい甘さです。
花も実も古くから親しまれ、 庭に植えられたり、 植木鉢で育てられたりしています。

以下の情報は、 関東地方を基準にしています。 エリアによって1ヶ月くらいの差があります。

樹形

つるを伸ばして大きくなっていきます。 他の木に巻き付いたり、 空中や地面をまっすぐに伸びていったりと、 自由奔放に見えます。

  • 他の木の枝から垂れ下がったり、 自分たちで巻き付き合ったり
    写真 / 2023.4.10 千葉市緑区 MayaN

  • フェンスの上で絡み合う枝
    写真 / 2024.9.8 東京都練馬区 Tamacha

縁にギザギザがない、 だ円の形の小さな葉が5枚1組で1枚の葉っぱになっています。 秋には落葉します。

  • 小さな葉っぱには柄がある
    写真 / 2024.9.8 東京都練馬区 Tamacha

  • たまに7枚1組の葉もある
    写真 / 2021.4.4 千葉県花見川区 MayaN

雄花と雌花が葉と一緒に出てきて垂れ下がります。 柄の元の方から大きな雌花が、 先の方から小さな雄花が伸びてきていくつも咲きます。

  • 雌花の花びらに見えるのは、 がく片で3枚。 雄花には雄しべが6個ある
    写真 / 2021.4.3 千葉県習志野市 MayaN

  • 若い葉とつぼみが出てきたところ
    写真 / 2022.3.14 千葉県習志野市 MasakoT

熟すと、 きれいにパカッと割れます。 白い果肉と黒い種が見えます。 これを見ると食べたくなりますね。 鳥も同じ気持ちになるのかも。

  • 中の果肉が甘くておいしい
    写真 / 2007.10.9 minaei

  • フェンスのアケビもボリュームたっぷり
    写真 / minaei

  • 白いタイプの実
    写真 / 庭木図鑑植木ペディア

幹・枝

枝や幹は無毛で茶色〜灰色のしなやかなつるです。 右巻きに巻きついて伸びていきます。

  • 灰色がかった枝
    写真 / 2023.4.10 千葉市中央区 MayaN

  • 絡まったまま太くなった高齢の木の根元
    写真 / 2023.4.10 千葉市緑区 MayaN

  • 若い枝先はやわらかく緑色
    写真 / 2024.9.19 東京都文京区 Tamacha

冬芽・葉痕

無毛で、 あまり尖らない赤みがかった冬芽で、 芽鱗は12〜16枚あります。 楕円形の小さな葉痕の維管束痕は6〜8個です。

  • 少し伸びてきて、 黄緑色の葉とのコントラストが美しい芽
    写真 / 2022.3.3 千葉県習志野市 MasakoT

  • 少し葉を出しては終わる短枝の芽
    写真 / 2024.9.8 東京都練馬区 Tamacha

  • どっちに枝を伸ばそうかな?と準備する芽
    写真 / 2024.9.8 東京都練馬区 Tamacha

人との関わり

昔から、 新芽や実を食べたり、 つるでかごを作ったりして人の生活に役立っています。
身近で花や実を楽しむために、 庭に植えたり、 植木鉢に植えて支柱に絡ませて仕立てたりすることもできます。

名前の由来

熟した実がパカッと口を開けることから「開け実」→「アケビ」と呼ばれるようになったといわれています。

  • パカッと開いたミツバアケビの実
    写真 / 2015.10.7 茨城県つくば市 htanaka

その他の情報

ゴヨウアケビは、 アケビとミツバアケビの雑種であるといわれています。 葉は5枚で一組、 ミツバアケビに似ていて縁が少し波打つような姿をしています。
他にも、 葉が大きくて光沢があり、 肉厚なハマミツバアケビ、 葉の縁が波打たず、 花がミツバアケビより少し大きくて色が薄いクワゾメアケビというのがあります。

  • アケビのそばに生えていたゴヨウアケビ
    写真 / 2024.9.15 東京都調布市 Tamacha

体験・遊び

パカッと割れる実は優しい甘さのおやつに、 皮も炒めておかずに、 春の葉は山菜に、 つるはかご作りに、 と昔からいろいろと利用してきました。 皮は苦みがあるので、 ゆでこぼしたり、 揚げたりすると和らぎます。 果肉はタネが多すぎるので漬物に。

  • 果肉をとる
    写真 / 2024.10.2 minaei

  • 果肉の重さの7%の塩を果肉をつぶしながら混ぜる
    写真 / 2024.10.2 minaei

  • キュウリと袋でもみもみして冷蔵庫で半日。 果肉漬けのできあがり
    写真 / 2024.10.2 minaei

  • 皮はゆでこぼすか、 素揚げをして苦みを和らげる
    写真 / 2024.10.2 minaei

  • 肉だねをつめ、 焼く。 ゆでた皮なら揚げ焼きがおすすめ。
    写真 / 2024.10.2 minaei

  • アケビの肉詰め。 味噌味もおいしい。
    写真 / 2024.10.2 minaei

  • ゆでこぼした皮を塩麹につけて、 酢飯を挟んで。 やや後味が苦い?
    写真 / 2024.10.2 minaei

関わりが深い生き物

アケビコノハ(ガ)というユニークなイモムシを探してみましょう。
果実は、 タヌキやサルの好物です。

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