21世紀の森と広場

ピラカンサ

たわわな赤い実 枝のとげにはご用心

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特徴

常緑の木で、 秋から冬にかけて赤い実がたわわに実り、 枝が重そうに弓なりに垂れます。 明治時代に日本にやってきました。 トキワサンザシ属という仲間で、 庭木や生垣としてよく植えられるものは数種類ありますが、 まとめてピラカンサとよばれます。

以下の情報は、 関東地方を基準にしています。 エリアによって1ヶ月くらいの差があります。

  • Peak Season
  • Blossom
  • Leaf
  • Fruit
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
見頃

高さ

低木 (1〜5m)

花の性別

両性花

分布

ヨーロッパ東南部からアジア

生息地

分布

ヨーロッパ東南部からアジア

生息地

学名

Pyracantha

樹形

枝分かれして長く伸びた枝からたくさんの短い枝を出して、 こんもりとした形になります。 「トキワ」の名前の通り、 常緑の葉一年中緑色。 春は白い花をたくさんつけて枝が垂れ下がり、 秋は赤い実をたくさんつけてこれまた重そうに垂れ下がります。

  • 重そうな枝が垂れ下がる
    写真 / MayaN

  • 短い枝をたくさん出して垂れ下がる
    写真 / MayaN

  • 樹形を手入れされた公園の木
    写真 / MasakoT

  • 花のころの様子
    写真 / MayaN

小さくて少し厚みがあり、 つやのある葉が短い枝の先にぐるりとまとまってつきます。
代表的な3種類のピラカンサには、 少しずつ違いがありますが、 雑種も多いようです。
●タチバナモドキ
表のつやはあまりなく、 縁のギザギザがないか、 または少しだけある。 裏は白く、 毛がみっちりと生えている。
●カザンデマリ(ヒマラヤトキワサンザシ)
3種の中で葉の長さが一番長くなる。 両面とも毛はなく、 縁には細かいギザギザがある。
●トキワサンザシ
3種の中で葉の幅が一番広くなる。 両面とも毛はなく、 縁にはギザギザがある。

  • つや消しな感じで鋸歯もない
    写真 / MayaN

  • 裏に毛はなく鋸歯はある
    写真 / MayaN

  • つやが強い
    写真 / MasakoT

小さな白い花が枝いっぱいに咲きます。 花びらが5枚の花が房のようにまとまり、 枝からたくさん出ています。
見た目はかわいい花なのですが、 なんと 腐敗臭だとか掃除していないトイレを想像してしまうような匂いがします(種類によって多少違いがあります)。 この匂いに誘われて 受粉を手伝ういろいろな虫がやってきます。

  • まとまって咲く花
    写真 / MayaN

  • 雌しべの先は5つに割れており、 雄しべは20本ほど
    写真 / MayaN

  • 花のついた枝も重く垂れ下がる
    写真 / MayaN

  • つぼみは丸い
    写真 / MasakoT

赤くて少しへん平な丸い実を枝いっぱいにつけ、 重みで枝が垂れ下がります。 いかにも鳥の目をひきそうな美味しそうな実ですが、 毒があります。 冬を越して熟してくると、 いろいろな小鳥が食べにやってきます。

  • つやのある赤い実
    写真 / MasakoT

  • 緑の葉とのコントラストが人気
    写真 / MasakoT

  • たわわに実をつけ、 見事に垂れ下がる
    写真 / MasakoT

  • 重くなっても折れないでがんばる
    写真 / MayaN

  • 若い実
    写真 / MayaN

  • タチバナモドキの実は柿の実のような色
    写真 / MayaN

幹・枝

枝はこげ茶色をしていて、 かたいのですがしなやかです。 長い枝の先、 短い枝の先、 枝の途中の葉や枝の付け根に、 枝が変化したトゲがあります。 なかなか鋭いので、 短いトゲでもうっかり触ってしまうと痛いです。

  • このようなトゲが枝にいっぱい
    写真 / MayaN

  • あまり目立たなくても痛いトゲ
    写真 / MayaN

  • 短枝先がトゲになっているところも
    写真 / MasakoT

  • 幹は白っぽい
    写真 / MayaN

冬芽・葉痕

常緑の木ですが、 よく見るとずんぐりした短い枝の先に赤い冬芽が用意されています。

  • 小さくて丸みがある
    写真 / MayaN

  • ぷっくりした冬芽
    写真 / MayaN

人との関わり

緑の葉と赤い実が美しいので、 庭木や鉢植え、 盆栽としてよく植えられます。 トゲがあるので、 防犯の意味で生垣として使われることもあります。

  • 冬の庭も彩る
    写真 / MayaN

名前の由来

「ピラカンサ(Pyracantha)」はバラ科のトキワサンザシ属をさしており、 ギリシャ語で「火と棘」という意味があります。 字を見てわかる通り、 赤い実とトゲからきている名前です。 中国語でも「火棘」と書きます。
「トキワサンザシ」の名は、 サンザシに似た常緑の木であるということからきています。 「トキワ」は常緑であるという意味。 サンザシは同じバラ科の落葉樹ですが、 小さな白い花が咲き、 赤い実がたくさんなります。

  • ピラカンサの花
    写真 / MayaN

  • サンザシの花
    写真 / MayaN

  • サンザシの若い実
    写真 / MayaN

性格

緑の葉が濃くて花も実もかわいく、 一年中楽しませてくれるピラカンサ。 切り花としても季節を感じさせてくれる材料になります。 日向に植えると元気に育ちます。 しかし放っておくとトゲのある枝が伸び放題になり、 牙をむかれた感じになってしまいます。 剪定した枝を持ち運ぶ際には手にトゲが刺さるし、 底の薄い靴で踏んでしまうと足の裏に刺さって泣かされます。 そのワイルドさを楽しむか、 放っておかずに手をかけてかわいがるか、 どっちがいいですか?

  • 大きくなっておそいかかってきそうな”ピラカン”
    写真 / MasakoT

関わりが深い生き物

花にはいろいろな虫がやって来て受粉の手伝いをします。
実はヒヨドリなどの野鳥が食べに来ますが、 毒があるため遅くまで残っています。
葉はウメエダシャクやモンクロシャチホコの幼虫が食べます。 枝に蓑虫が沢山ぶら下がっていることがあります。

  • 葉を食べるウメエダシャク幼虫。
    写真 / MasakoT

  • 葉を食べるモンクロシャチホコ幼虫。
    写真 / MasakoT

  • オオミノガの幼虫。
    写真 / MasakoT

21世紀の森と広場 基本情報

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