本種は見た目が面白く、 育ててみたいと思った人がいるかもしれません。 ただ実際には、 栽培や移植が難しいことで知られています。 これは近縁のスジヒトツバも同じです。
そのため、 植物園でもうまく育たず、 元気のない姿になっていることがあります。 それに対し、 自生地ではよく一面に広がっていてインパクトがあるので、 その意味でも直接観察しに行くのがおすすめです。 西表島では滝までの観光ロードにも生えているので、 現地ガイドさんに見たいとお願いすれば、 誰でも簡単に出会えるかもしれません。

ヤブレガサウラボシ
花は咲かないぞ! 破れ傘なシダ
特徴
キク科のヤブレガサの葉のような、 面白い形をしたシダ。 シダなので花は咲かず、 葉裏に星が散りばめられたように、 小さな胞子のう群が多くつきます。 熱帯性のシダで、 日本では琉球の2つの島にだけ生えています。 ただ自生地ではよく大群生するので、 その景色は圧巻です。
葉幅 : 20~50cm
観察の時期 : 一年中(常緑性)
生える場所 : 低山の明るい斜面
分布 : 琉球(石垣島・西表島)、 台湾、 中国、 東南アジアなど
※正確な種の判定は、 形態を細部まで見る必要があります。