ツクバトリカブト

日本の3大有毒植物のひとつ

  • 独特の形をした紫色の花が目立つ。 独特の形をつくるのは5枚の紫色のがく片である。
    写真 / 2017.9.30 千葉県泉自然公園 SogaToshio

  • 花弁は2枚、 イの字型で頂がく片の内側に隠れている。 花序は散房状で、 花柄や茎には曲がった毛がある。
    写真 / 2022.9.4 茨城県筑波山 htanaka

  • 雄しべ多数。 花の内面にも曲がった毛がある。
    写真 / 2017.9.30 千葉県泉自然公園 SogaToshio

  • 葉は3全裂し、 側裂片はさらに2深裂、 葉の両面と葉柄に曲がった毛が見られる。
    写真 / 2017.9.15 千葉県泉自然公園 SogaToshio

  • 果実は袋果でとがった先に花柱が残る。
    左の花の中に3個の子房が育つ様子がわかる。
    写真 / 2023.10.17 茨城県筑波山 htanaka

  • 林縁に群生するツクバトリカブト。
    写真 / 2017.10.9 千葉県泉自然公園 SogaToshio

  • ハナバチ類が潜り込むように花から花へと蜜を集め、 花粉を媒介する。 写真はトラマルハナバチ。
    写真 / 2022.9.4 茨城県筑波山 htanaka

  • 秋に熟した果実(袋果)。 3~5個ずつついていて、 先端に花柱が残っている。
    写真 / 2022.11.20 茨城県筑波山 htanaka

特徴

ドクウツギ、 ドクゼリと並んで日本三大有毒植物の一つとされるトリカブトの仲間は日本には約30種が自生しています。 トリカブトの名の由来は、 花が古来の衣装で頭にかぶる鳥兜・烏帽子に似ているから、 または、 鶏の鶏冠(とさか)に似ているからとも言われています。 ツクバトリカブトは筑波山で発見され命名されました。 (HT)
  
タイプ : キンポウゲ科トリカブト属の多年草
大きさ : 高さ 30-90cm、 花の長さ35-40cm
花の時期 : 9-10月
生育場所 : 低地~山地の林縁、 草原
分布 : 本州(東北南部~関東の平野部、 長野県中・北部、 三陸の海寄り地域等)

※正確な(しゅ)の判定は、 形態を細部まで見る必要があります。 ​

注意点

トリカブトの仲間は全草が猛毒を持つことで有名な植物です。 春先の若葉が食用となるニリンソウと間違えて食べる中毒例がしばしばあります(3人で小鉢1杯を食べ2名が死亡した例があります)。 芽吹きのころは、 ヨモギ、 モミジガサ、 ミツバ、 ゲンノショウコなどとも似ているので注意が必要です。 また、 蜂蜜も毒となるので、 近くで養蜂をしないか開花期を避けることが重要です。

執筆協力 : 田中ひとみ